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Ryzen 5 9600X & Ryzen 7 9700Xを試す - Zen 5の先駆け、処理性能と電力効率は明確に優秀

マイナビニュース / 2024年8月7日 22時0分

グラフ127~130がInter-Thread Efficiencyのダイジェストである。まずグラフ127・128がInter-Thread LatencyのBest/Worstであるが、結果を見てみるとInter-Thread、つまり同一コア内のThread同士でのデータ交換のLatencyは3ns程大きくなっており、逆にInter-Core、つまり同一CCD内の異なるコア間のデータ交換は4~5ns程少なくなっている。これはなかなか興味深い話である。あるいはDecoderが大幅に拡張され、2つのThreadで別々のDecode/Queueを持つようになったのがこのInter-Thread Latencyの増加に繋がっているのかもしれない。

一方のInter-Thread BandwidthのBest/Worst(グラフ129・130)であるが、Bestの方を見ると特にL2~L3にかけてのBandwidthが大幅に伸びており、これはL2/L3の周りの改良が影響しているものと思われる。これはWorstの方も同じであるが、ことL3に関してはRyzen 5 7600Xが一番帯域が大きいというのは、余分な事をしていない分Worstケースで性能が落ちにくいということなのだろうか? ちょっと不思議ではある。

グラフ131・132がMemory Bandwidthである。これはStreamと、次に出てくるCache&Memory Bandwidthの256MB~4GBの平均値をまとめた物だ。MT+MC(グラフ131)でCore i5-14600Kが飛び抜けているのは、RMMTの結果を見ればまぁ納得である。それはともかくとして、Ryzen 9000系はRyzen 7000系よりもやや低めになっているが。これは恐らく動作周波数の問題であろう。実際1T(グラフ132)だとRyzen 9000系はRyzen 7000系より僅かながら性能が向上しているのが見て取れる。最終的にメモリコントローラは共通なので、ここで大きな性能差が出て来るとは考えにくいが、多少なりともLoad/Storeユニットの改良がこうした結果に繋がったものと思われる。

で、Cacheエリアまで広げて帯域を確認したのがこちらのCache&Memory Bandwidth(グラフ133・134)。MT+MC(グラフ133)より1T(グラフ134)の方が判りやすいと思うが。L1及びL2の帯域が大幅に向上しているのが判る。L1に関しては、AVX512を同時2命令実行できる様にLoad/Storeユニットが大幅に強化されたのがこの結果に繋がっているものと思われる。また16MBあたりまでも帯域がRyzen 7 7800X3Dより上というあたり、L3に関しても帯域強化が行われたのはほぼ確実である。ただ全Threadでこれを行うと、恐らく消費電力のリミットが先に来るのだろう。MT+MCでL2 Accessになった途端に帯域が跳ね上がるのは、全コアがL1をフルにぶん回すと消費電力がリミットになり、動作周波数が引き下げられたためであると考えられる。このあたり、Ryzen 9だとTDPがもっと大きいので、また違った傾向になりそうである。

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