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Ryzen 5 9600X & Ryzen 7 9700Xを試す - Zen 5の先駆け、処理性能と電力効率は明確に優秀

マイナビニュース / 2024年8月7日 22時0分

グラフ117~119はFinancial Analysisの結果であるが、これもDhrystoneと同じでMT+MCに関しては動作周波数を上げられる(=TDPの大きい)方が有利という事で、Black-Scholes/Binomial/Monte Carloの何れの方法でもRyzen 9000シリーズはRyzen 7000シリーズよりやや低めの数字である。ところが1Tになるとこれは話が別で、Binomialを除くと全てRyzen 7000シリーズより性能が出ている。勿論ピーク性能が欲しい、というのであればこれは物足りないのかもしれないが、それであればそもそもRyzen 9を選ぶべきなのであって、Ryzen 5/7向けとしてはむしろ消費電力を控えめにする方がユーザーニーズに合っている、とAMDとしては判断したのかもしれない。

グラフ120~122がScientific Analysisである。こちらではAVXユニットの数が倍増した関係だろうか、1TだけでなくMT+MCでもRyzen 9000シリーズの性能の伸びは大きい。それでもGEMMに関して言えば、やはり3D V-Cacheの効果でRyzen 7 7800X3DがMT+MCでは最高速であるが、SGEMMの1TだとRyzen 7 7900Xの半分でしかないあたり、FPUの強化が非常に大きく影響しているのが見て取れる。これはFFTとかN-Bodyも同じである。特にFFTなどオンメモリの処理が多くなるから本来ならRyzen 7 7800X3Dが最高速でも不思議ではないのに、実際はRyzen 9000シリーズがどちらもRyzen 7 7800X3Dを上回る結果を出しているあたり、本当にFPU周りの性能が大きく向上している事が伺える。

グラフ123~126がImage Processingである。グラフ123・124がMT+MC及び1Tでの生の結果であるが、テスト毎に性能が大きく違うのでちょっと判断しづらい。そこでRyzen 5 7600Xの結果を100%とした相対性能を示したのがグラフ125・126である。MT+MCであってもRyzen 9000シリーズは10~30%程度の性能の伸びを示しているのが判るが、1Tだと更に極端で、1TのBlurだと実に4倍近い性能の伸びで、他も40%前後の伸びを示しているのが見て取れる。Image Processingといっても内部はフィルタ処理であり、例えばBlurなら3×3のConvolutionだし、同様にSharpenなら5×5、Motion Blurなら7×7のConvolutionである。DiffusinならRandomiseだし、他にSobel/Median/Quantise/Perlin 2D Noiseなどの処理を行う訳でガリガリの計算処理であるのだが、こうした用途でRyzen 9000シリーズは高い性能の伸びを示すことが確認できたのは大きいと思う。

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