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Ryzen 5 9600X & Ryzen 7 9700Xを試す - Zen 5の先駆け、処理性能と電力効率は明確に優秀

マイナビニュース / 2024年8月7日 22時0分

さて、今回はダイジェスト版ということで、主にCPUコアの性能とMemory Bandwidth周りだけに絞って結果をお届けしたい。まずグラフ109/110がDhrystoneで、意外にもMC+MT(Multi Core+Multi Thread)ではRyzen 9000シリーズの性能が伸びないが、1Tの方だと明確な伸びを示している。これはどういうことか?というと後で消費電力の所で数字を比較すると明白なのだが、Ryzen 9000シリーズはそもそも消費電力枠を低く抑えている。もう一度スペックを示すと

となっている。

つまりRyzen 5 9600Xは88W枠で105WのRyzen 5 7600Xと同じ性能だし、Ryzen 7 9700Xは88W枠で120WのRyzen 7 7800X3Dと同等の性能を出している、というのがグラフ109の結果な訳だ。一方グラフ110の方は1Threadでの動作だから、当然TDP枠を全部使い切る事は出来ない。恐らくMax Boostに近い数値での動作ではあり、そうなるとMax Bootの動作周波数の比+IPCの比、というのが結果に反映される訳だ。こう考えると、グラフ109/110の数字は納得できる。

これはWhetstone(グラフ111・112)も同じで、なぜかMT+MCでも.NETを使うとRyzen 9000シリーズの性能が伸びるのが今一つ判らないが、概ねDhrystoneと同傾向である。ただDhrystoneでは.NETでもRyzen 9000シリーズの伸びはそんなに大きくないのに、Whetstoneだけ伸びるというのはどういう仕組みなのかちょっと不思議である。

グラフ113~116はCryptographic Testであるが、AESのEncode/DecodeのMT+MC(グラフ113)がまぁどのケースでも同じなのは、もうAVXのAES命令を多用している以上性能はメモリ帯域と動作周波数で決まり、そうなるとTDPが低めのRyzen 9000シリーズが不利なのは当然である。逆に1Tで、しかも処理の重いAES256だとRyzen 9000シリーズがトップ性能というのも理解できる。強いて言えばAES128で今一つ(Ryzen 5 7600XやRyzen 7 7800X3Dに負ける)あたりが不思議ではあるが、AES128/256で性能が変わらないというあたりは実装の違いと見做すこともできる。で、AES命令が効果の無いHashingに関しては、MT+MC(グラフ115)と1T(グラフ116)どちらもRyzen 9000シリーズの性能が高いのは、これは純粋にIPCの向上の効果の一部と見做して良いかと思う。

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