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大河原克行のNewsInsight 第315回 パナソニック「ナノイー」が累計出荷1億台を達成、次の大台到達へ「車載」と「海外」の存在感

マイナビニュース / 2024年8月9日 19時1分

南波事業部長は、「パートナーの価値提供に貢献するとともに、お客様からも効果を認めていただいている」と語った。
ナノイーとは? 発生の仕組みや効果

ナノイーは、OHラジカルを持つナノサイズの清潔イオンであり、有害物質を化学的に変性させ、脱臭や除菌、ウイルスを抑制できるのが特徴だ。直径5nmから20nmの微粒子であるため、繊維の奥にも浸透したり、弱酸性であるため、髪の毛や肌にも優しかったりという特性を持つ。

ナノイー発生装置は、対向電極と霧化電極、さらに、霧化電極を冷却するためのペルチェ素子で構成しており、電極冷却による結露現象によって、空気中から自動的に水分を収集。この水分に高電圧をかけると水が電極となり、ナノイーを生成。ナノイーは、水に包まれていることで長寿命化しているため、部屋の隅々までナノイーを届けることができる。

これまでに世界11カ国45機関と研究を行い、50種類以上の菌やウイルスを含む100種類以上の有害物質に対して抑制効果があることを実証している。カビについては、クロカビをはじめとして家の8大カビのすべてに対して、99%以上の殺菌効果が実証されている。現在、エビデンス保有件数は192件に達しているという。

2024年3月には、畳20畳分にあたる98立方メートルの広さを誇る日本最大級の検証空間としてバイオハザード対策試験室を設置。これまで国内で検証が難しかったバイオハザードレベルのウイルスや微生物を対象に、大空間で検証が行えるようにしたという。

パナソニック くらしプロダクトイノベーション本部コアテクノロジー開発センターの佐々木正人所長は、「ナノイーは、水に含まれているOHラジカルが部屋の隅々まで拡散し、菌に届いたあと、菌が保有する水素を抜き取り、菌の水素を水に変性させ、菌を不活化し、抑制するというメカニズムである。カビ、花粉、ニオイ、PM2.5、アレル物質、菌およびウイルスといった有害物質を抑制できる」と説明。さらに、「ナノイーデバイスは、薬剤を使用することなく、液体などの供給が不要である。また、水が電極を守り、摩耗から保護するため、デバイスがメンテナンスフリーで、常に清潔な環境を実現できる」と語った。

一般的に、イオン発生装置は、放電が必要であるため、電極同士で電撃を発生させるため、一定期間を経過すると発生装置の交換が必要になるが、ナノイーでは、水に対して放電するため、発生装置の交換が不要になっている。

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