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大河原克行のNewsInsight 第315回 パナソニック「ナノイー」が累計出荷1億台を達成、次の大台到達へ「車載」と「海外」の存在感

マイナビニュース / 2024年8月9日 19時1分

生産ラインにおいては、「お客様に対して、商品だけでなく、工程丸ごとお買い上げをいただいていることをコンセプトにモノづくりを進めている」と表現。ひとつの不具合でも、その不具合が発生したお客様にとっては100%の不具合になるという考え方のもと、生産工程において、不具合の発生や不良品を流出させないための歯止めや施策を盛り込んだり、製造部門だけなく、設計部門や品質部門などの関係部門を巻き込んだ品質維持の取り組みを行ったりしている。また、万が一、不良品を流出させてしまった場合にも、QRコードによって、個別デバイスの特定が可能になっている。どの時間に、どの工程を通過したかを特定でき、生産工程の変化などを解析できるようにしている。また、作業環境においては、温度および湿度の管理を行い、信頼性と安定性がある検査も実現しているという。

さらに、出荷時には100以上の品質項目を試験評価しており、それを達成した仕様のデバイスだけを提供しているという。具体的には、タバコの煙が10年間に渡って充満した環境でも駆動すること、85℃からマイナス40℃の環境でも動作すること、油やアルコール、可燃ごみなどの可燃物が付着しても発火しないこと、火薬庫レベルの空間でもナノイーによって爆発がしない防爆発試験をクリアしていることなどがあげられる。

「常に、現状に満足せず、挑戦してきた。その結果、研究、設計開発、製造技術を進化させ、ナノイーデバイスは、20年間に渡り、様々な用途で利用されてきた。健やかな生活に貢献しつづけることはもちろん、人の免疫力向上、アンチエイジングをはじめとした変化するニーズにも対応した新たな価値を提供する」と述べた。

一方、ナノイーデバイスの誕生に関わった広島大学名誉教授 奥山喜久夫氏も駆け付けた。

奥山名誉教授は、微粒子工学の第一人者であり、ナノ粒子を合成、機能化する研究を行ってきた。1985年から7年間、夏休み期間中に限定して、米カリフォルニア工科大学で研究活動を行っていた際に、エレクトロスプレー(静電霧化)技術に触れ、それに適した材料の研究も開始したことが、その後のナノイーの実用化につながっているというエピソードを披露した。

「1995年頃に、室内の空気環境を整えるプロジェクトに松下電工(現パナソニック)の技術者が参加しており、共同で空気質の改善に関する研究を進めた。パナソニックの空気清浄機に静電霧化技術を採用してはどうかと提案した。これがその後、ナノイーと呼ばれるようになった」と振り返り、「大がかりな装置を空気清浄機に搭載するのは大変だと思ったが、パナソニックは、小型化、高性能化、安価なデバイスを開発し、それを空気清浄機に搭載した。その技術力には感心した。効果や安全性などについても、外部の専門機関で調べてもらい、有効性が確認された。この技術を美容家電に応用した点にも驚いた。今後もパソナニック独自のプロジェクトとして大きく成長することを期待している」などと語った。
(大河原克行)



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