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大河原克行のNewsInsight 第316回 「技術未来ビジョン」 パナソニックが挑戦する、21世紀の新たな「水道哲学」

マイナビニュース / 2024年8月16日 14時2分

画像提供:マイナビニュース

パナソニック ホールディングス技術部門は、2040年の未来において、同社がありたい姿とその実現に向けた研究開発の方向性を示す「技術未来ビジョン」を策定した。「一人ひとりの選択が自然に思いやりへとつながる社会」に向けて、それを実現する「3要素」と、「めぐる」姿を定めたのが特徴だ。また、これらを実現するための事業開発機能を強化し、共創パートナーとともに、積極的に事業開発を進める考えも示した。

パナソニック ホールディングス 執行役員 グループCTO の小川立夫氏は、「パナソニックグループが目指しているのは、グリーンな資源や、生きがいおよび思いやりが、あまねく循環する『共助の水道』の実現である。21世紀の新たな水道哲学に挑戦する」と、「技術未来ビジョン」の基本姿勢を定義した。

水道哲学は、創業者の松下幸之助氏が、1932年に打ち出したもので、「必要なものを、ただに等しい水道の水のように、あまねく届けることができれば、貧困を克服できる」との考え方に基づいており、同時に「無尽蔵に物質ができても、その使い方を知らないといけない」と、誰でも利用できる水道の水だからといっても、それを流しっぱなしにしては意味がないことも示している。

○技術未来ビジョンにあわせた組織再編も計画

今回の技術未来ビジョンでは、エネルギーや生きがい、思いやりを届け、これを無駄なく循環させるという姿勢をベースにしたものだと位置づける。

小川グループCTOは、「パナソニックグループでは、エネルギーやサーキュラエコノミーなどへの取り組みを進めてきたが、今回のビジョンでは、これらを紐づける形で、活動を加速していく」と述べ、「2040年に向けて、パナソニック ホールディングスの技術部門が、どういう山に登ればいいのかを示すものになる。パナソニックグループの使命である『物と心が共に豊かな理想の社会』の実現に向けて、技術部門、デザイン部門、ブランド部門が一緒になったパナソニックホールディングス版のデザイン経営の実践プロジェクトになる」と述べた。

今後は、パナソニック ホールディングス技術部門を、技術未来ビジョンで打つ出す「3要素」にあわせた形に組織を再編する計画も明らかにした。

パナソニックグループでは、約10年前に、パナソニック、パナソニック電工、三洋電機の3社統合にあわせて、技術に関する長期ビジョンを策定した経緯がある。「今回も会社の形が大きく変わるタイミングであり、同時に社会の大きな変革を捉えたものになる」とした上で、「10年前は、破壊的な変化を起こす事業と、事業チャンスの交点にどんな技術が必要になるかという観点から、AI、ロボティクス、IoTを中心に掲げ、技術ドリブンでまとめた内容だった。だが、今回は2040年からのバックキャストで描いた点が大きく異なる。また、事業環境でのCO2排出削減貢献量が評価される時代となり、コロナ禍を経て、人が生きていくためには何が必要なのかを見つめなおす機会を経験したという社会環境の変化が異なる」とした。

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