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3万円超の高級日本酒「百光」が売れるワケ - SAKE HUNDREDの高価格帯戦略に迫る

マイナビニュース / 2024年9月1日 14時10分

実際に筆者も味わったが、精米歩合18%とは思えないとろみのあるやわらかいテクスチャーと華やかな香り、そして旨味の広がりに驚いた。このフラグシップ酒は、世界最大級のワインコンテスト「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2019」で、スタートアップで手掛けた酒では初の金賞を受賞。その後も世界で、5年の間に10を超える賞を獲得した。

激戦区で勝つための販売戦略

「世界で1番の日本酒激戦区は日本。激戦区で勝てないブランドが世界で勝てるわけがないというのが僕のポリシーです」と、はじめに日本での地盤固めを行ったSAKE HUNDRED。では、いかにして売上を上げていったのか? その答えはいたってシンプルだった。

「努力と根性です。もうとにかく営業をしまくっています。ラグジュアリーブランドを目指しているからといって別に優雅にやっているわけじゃなく、裏にはものすごい営業努力があります」

創業当時、百光を持っていくと"高い酒は売れない"と言われることもしばしば。だが、落ち込むことはなかったという。

「(高い酒が売れないのは)僕たちがいなかったから。僕たちがやろうと思っているから売れる。(商品に)すごく自信があるので、認めてもらえないことは残念だなとは思いますが、へこんだり、揺らいだりすることは1秒もありませんでした」と、その熱意を語った。

その後、一流といわれるラグジュアリーホテルやミシュランの星付きレストランを中心に、地道に、そして熱心に魅力を伝え続けた。すると、徐々にその価値が認められ、各店のメニューにリストアップされるようになる。また、カンヌ国際映画祭やG20関連カンファレンスでも提供され、その地位を確立させていった。
進化し続ける「百光」

こうして、ラグジュアリー日本酒として人気を博すようになった「百光」。だが、他社とさらなる差別化を図るため、2024年醸造の百光から"ある原材料"を変えた。

それが、麹をつくるときに使われる菌「種麹」である。日本酒づくりにおいて重要な工程を『一麹・二酛・三造り(いちこうじ・にもと・さんつくり)』と表現するが、麹は味わいを決める上で最も重要な役割を担う。

「多様性が大事だと言われる日本酒ですが、酒造りに使われる種麹の選択肢はあまり多くありません」と生駒氏。

そこでSAKE HUNDREDでは、種麹屋の協力のもとオリジナルの種麹づくりに挑戦し、原材料からの差別化を図った。百光では、そのオリジナル種麹を使用することで、より理想の味わいを実現しているという。

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