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東奔西走キャッシュレス 第61回 公共交通機関、クレカのタッチ決済の次の一手はMaaS

マイナビニュース / 2024年8月30日 14時44分

stera transitという全国共通のクラウド基盤に加え、移動から買い物/飲食/アクティビティなどの決済でも使われるクレジットカードという組み合わせは、「MaaSともっとも相性のいい交通決済手段ではないか」と大西社長は指摘します。

それに向けて、三井住友カードはMaaSサービス向けのアプリを開発し、交通事業者やほかのMaaS事業者が自社サービスに組み込むなどして、stera transitに接続していく形を目指す考えです。

従来のMaaSサービスでは、1日や数日単位の乗り放題チケットを提供。また電車・バスなどの乗車券と、観光施設やイベントのチケットなどを組み合わせる企画乗車券も一般的です。

通常、そうしたチケットはスマートフォンに表示したQRコードを見せたり、リーダーにかざしたりすることで使用します。そのため、鉄道事業者は自動改札機にQRコードリーダーを増設していますし、バス事業者もカメラ付きのクレジットカードリーダーを設置した運賃箱に対するニーズが高まっています。

これに対して、stera transitのMaaSプラットフォームを組み合わせると、そうした企画乗車券などの情報をクレジットカードに紐付けられます。

stera transitは交通機関乗車の際、リーダーにタッチしたクレジットカードの情報をクラウドで認証しています。その際に紐付けられたMaaSサービスのデータを活用することができるわけです。

これによって、例えば電車に乗って降車した駅からバスに乗り、万博会場に入場する、という旅程がセットになった企画乗車券があったとして、クレジットカードに紐付ければすべて1枚のクレジットカードをタッチしていくだけで利用できることになります。

まずはフェーズ1として、企画券などのサービスを2025年3月から提供する予定。その後は順次機能拡張を進めていくといいます。
○国主導でピカピカのMaaS 2.0

公共交通機関における課題として、収益悪化や人手不足が深刻化している……と話すのは国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課課長で物流・自動車局旅客課の土田宏道氏です。

国交省の調査では、特に人口5万人未満の都市で、地域の公共交通機関が減少する不安の声が多いそうです。土田氏は「移動を巡る課題は、特に地方部を中心に深刻さを増している」と言います。

土田氏は、国としてもデジタル化を進めることで利用者の利便性、生産性向上を通じて公共交通機関を維持することが大事だとしています。その解決策のひとつとして、MaaSによって公共交通機関の面的な利便性向上が図れる点を挙げます。

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