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東奔西走キャッシュレス 第61回 公共交通機関、クレカのタッチ決済の次の一手はMaaS

マイナビニュース / 2024年8月30日 14時44分

みちのりホールディングス傘下の茨城交通では、2024年7月のキャッシュレス決済利用が、クレジットカードで3.0%、QRコード決済で3.6%になり、順調に伸びているとのこと。特に現金と独自ICカードからの移行が進んでいるそうです。

湘南モノレールは国交省の支援を受けたMaaS実証プロジェクトを実施。神奈川県の藤沢・鎌倉地区のオーバーツーリズム対策として、観光客やインバウンドの行動変容に向けたデータ活用を図る意向です。他にも、新潟県の佐渡汽船は、佐渡金山の世界遺産登録を受けて観光客増が見込まれることから、島内全体のキャッシュレス決済のインフラ整備など、佐渡金山ならではのユニークな取り組みを検討していきたい考えです。

早くからタッチ決済に対応してきた福岡市地下鉄では、実証実験が終了して今年4月から本格導入を開始。障害者割引や子供料金、1日上限キャップ制にも対応。今後は1カ月最大12,570円の上限キャップ制を提供します。

タッチ決済の利用は、2023年4月には3,000件弱だったところ、今年7月には1日1.5万件にも達しています。福岡市地下鉄の乗車件数は1日48万件なので、全体の3.1%に達しているそうです。

面白いところでは、タッチ決済利用の多い韓国/アメリカ/タイからの観光客の動向を調査すると、タイの観光客のみ、川下りで有名な福岡県柳川市の利用が多かったそうです。これは、福岡県がタイ向けにPR動画をYouTubeに掲載した結果とみており、こうしたデータ活用が今後の観光政策などにも有効そうです。

地方銀行としてカード関連ビジネスに力を入れる琉球銀行は、「交通系の事業に参入したかったが難しかった」(琉球銀行・川上康会長)そうです。それまで独自ICのOKICAはありましたが、三井住友カードと提携し、stera transitが交通系にベストな選択肢として取り組みを開始しました。

まずは観光系路線バスで実証実験を開始。コロナ禍だったこともあり、非接触決済による感染対策の一環でもあったそうですが、現金利用削減による運転手の負荷軽減や観光客の利便性向上も企図してました。当初は、毎回オーソリゼーションまでを行う決済方式だったので、決済しようとすると5~10秒ほどの時間がかかっていたそうですが、乗車時と降車時の2タッチ方式で処理時間を短縮して本格導入。

2023年以降は順次、西表島や名護市、八重山エリアなどでサービスを開始。石垣市や竹富町では路線バスや船舶にも一斉導入をしました。船舶では、機材を潮風などから守るために可搬式にしてビニールのカバーを付けるなどの対処をして展開したそうです。

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