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「The職人」ベテランに聞く!建設現場で起きていること、これから起きること

マイナビニュース / 2024年9月20日 10時0分

野原: なるほど。「夢」や「憧れ」はひとつのキーワードになりそうです。建設業のどこに夢を見て、職人の何に憧れるか、という話とも関係すると思いますが、年配の職人さんと話をすると「昔の職人はもっと稼いでいた。職人が所長より稼いでいた時代もあった」という話が必ずと言っていいほど出ます。

現代とは、求められる労働環境や条件は違うとは思うのですが、もし現代の職人が同じように稼げるようになったら若い人は集まるでしょうか?

吉富:  入職する意向は高まると思います。休日や残業の有無、福利厚生の充実具合は、高い給料を望めないのであれば、せめてそうした待遇はしっかりしてほしい。そういう思いが、必ずあると思います。多少の条件の悪さも気にならないくらい稼げる仕事になるのなら、「一発当てたい」と夢を見られる人もいるんじゃないでしょうか。

小泉:  私は電気工事士が稼げると聞いて転職しましたし、実際に前職の時代よりも稼げたのは間違いありません。独立した今は、社員の頑張りに応じて支払う給料を上げることで稼げる仕事であることを暗に伝えているつもりです。昔の職人がどれくらい稼いでいたかはわかりませんし、今も工種によって収入に差があるとは思いますが、頑張っただけ実入りが大きくなる仕事だということは感じてほしいですね。

●職人を再び尊敬される仕事にするために
野原: ここまでいろいろお話しいただいてきましたが、多くの話題は会社や個人に関する話だったと思います。改めて建設産業全体を良くするためには何が必要なのか、建設産業はもっとこうあるべきだというお考えがありましたら聞かせていただけますでしょうか。

豊崎:  先ほどの収入の話に関連するんですが、海外の職人の収入は日本よりもすごく高いそうですね。私もカナダの工務店に呼ばれたときに聞きましたが、カナダでは見習いでも時給で4000円や5000円の報酬をもらえるそうです。そんなところに自分が一人親方で行ったら今の何倍稼げるんだと本当に驚きました。お金だけが全てではないですが、すごく敬意を払われているという気持ちになりましたね。

野原: 私が聞いた話では、アメリカではエントリーレベルの人も年収600~700万円くらいからスタートして、2~3年働いて見習い期間を終えると年収1000万円クラスになるそうです。

それだけもらえる理由に、アメリカの建設産業は労働組合がしっかりとしていて、組合に入っていない職人に仕事を依頼できない現場が多い。そのため入り口の時点から時給が全然違うそうです。

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