大河原克行のNewsInsight 第322回 シャープ研究開発から見えた新成長モデル、生成AIとEV、鴻海も活用し再起図る
マイナビニュース / 2024年9月11日 15時22分
シャープは、同社が推進する研究開発方針について説明した。
シャープ 専務執行役員 CTO兼ネクストイノベーショングループ長の種谷元隆氏は、「シャープは、100年を超える歴史のなかで、独自の技術によって、新たな価値を提案し、共鳴してもらうことで成長をしてきた。今後も、シャープの独自技術は、ユーザーにメリットを与え、喜んでもらえるものにしていく」と前置きしながら、「技術力強化による付加価値向上」、「ホームおよびワークプレイスからモビリティへの事業領域の拡大」の2点を重点項目として取り組む方針を打ち出した。また、「シャープは、AIや次世代通信、EVの領域を中心に、鴻海グループのリソースも有効活用し、Next Innovationを探索する」との考えを示し、鴻海グループが持つ技術やアセット、人的リソースも積極的に活用し、ブランド事業としての製品アウトプットを加速する姿勢も強調した。
シャープは、2024年度からスタートしている中期経営方針において、「ブランド事業に集中した事業構造を早期に確立し、将来の飛躍的成長を目指す」との基本姿勢を打ち出し、「デバイス事業のアセットライト化」、「本社機能の強化」とともに、「新たな成長モデルの確立」を掲げ、このなかで、Next Innovationによる技術への取り組みと、既存のブランド事業への取り組みを両輪として、新たな成長に挑む考えを示している。
既存ブランド事業に対しては積極的な投資により、売上げ、利益成長を実現するとともに、成長領域へとシフト。Next Innovationでは、生成AIと次世代通信、EV領域を中心に事業機会を探索することになる。
Next Innovationの重点項目のひとつである「技術力強化による付加価値向上」では、AI領域において、家庭およびオフィス向けソリューションの高度化や最適化、生成AI利用環境の構築ニーズの拡大、AIエージェントの普及に取り組む一方、次世代通信では、衛星通信の普及、V2X技術の確立に努める。
さらに、「人と地球にやさしい」取り組みにも着手。グリーンイノベーションに関わる技術を開発し、そこにAIを組みわせた提案もNext Innovationのひとつだとする。
また、「事業領域の拡大」では、EVエコシステムへの取り組みを打ち出し、自動運転の拡大や普及に伴う新たな生活ニーズの高まり、電力マネジメント技術の重要性の高まりに対応していくという。
○AI+IoT=AIoT、社会実装の現在地
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