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大河原克行のNewsInsight 第322回 シャープ研究開発から見えた新成長モデル、生成AIとEV、鴻海も活用し再起図る

マイナビニュース / 2024年9月11日 15時22分

また、種谷CTOは、「CE-LLMは、人に寄り添うAIを実現するための要素技術になる。クラウドAIに、エッジAIを組み合わせることで、AIの価値全体を引き上げることができる。AIoTで構築してきた白物家電を通じた家庭でのサービス利用に留まらず、オフィスやモバイル、EVにも、CE-LLMを展開していくことができる。エッジAIだからこそできる製品やサービスは少なくない」と強調した。

その上で、これらの技術によって実現したい世界を、「Act Natural」と定義する。

「Act Naturalは、AIを利用することで、生活そのものが、より自然になることを目指す。日々の生活のなかで、AIの利便性を享受できる世界を作っていく」と語る。

家電機器には数多くのボタンがあり、利用手順が複雑だったり、料理中に汚れた手でタッチ操作をしなくてはならなかったりといったことが発生している。生成AIを利用することで、こうした余計な操作を排除し、リモコンを手に持つことさえ、無くすことができるようにしたいという。

「洗濯する際に、服がどんな汚れなのか、どれぐらい汚れていて、きれいにするにはどの程度の時間が最適なのかを判断するのは、人手では難しい。また、そのために数あるボタンを何度も押して操作するのも煩雑である。残念ながら、いまは、そうした世界になっている。AIが汚れを判断し、最適な汚れの落とし方をもとにして、洗濯メニューを自動で判断し、スタートボタンだけを押せばいいという世界にしたい。人と機械の間に、エッジAIが入ることで、より自然に、余計な操作せずに洗濯ができるようになる。これが、シャープが目指すAct Naturalの世界観である」と語った。

さらに、テレビをAIの世界の入口に位置づけるほか、白物家電との連携、AIスマホやサウンドパートナー、XRグラスを通じた提案も、Act Naturalの実現につながるとしている。

シャープでは、近未来の世界観の実現において、ベースとなる技術が「CE-LLM」とし、家庭におけるフィールドは「AIoT3.0」によって実現。ユーザー価値の領域を占めるのが「Act Natural」と位置づけている。

「シャープは、B2CおよびB2Bにおける広い顧客接点を活用しながら、CE-LLMに注力し、より自然な生活ができるようにしていく。家電の使いにくさを解消し、新たな価値の創造を進めていくことになる」と語った。

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