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大河原克行のNewsInsight 第326回 変わる企業評価のモノサシ、パナソニックが進める「サステナビリティ経営」の現在地

マイナビニュース / 2024年9月18日 15時45分

画像提供:マイナビニュース

パナソニックグループは、「サステナビリティデータブック2024」を、2024年8月30日に発行した。同社が打ち出した2024年度の環境目標に対して、前倒しで進展している項目が複数あることが示された一方、CO2削減量の算定対象製品を拡大したことで、計画に大きく未達となる指標もあった。また、「削減貢献量」の標準化や可視化に向けた取り組みを引き続き推進していることも強調した。

パナソニックグループでは、グループ全体でのサステナビリティ経営を推進、強化するために、2024年4月に、サステナビリティ経営強化プロジェクトをスタート。4人の専任者のほか、サステナビリティに関連する組織と位置づけられる品質・環境本部、ソーシャルサステナビリティ部、経理・財務・IR部門、コーポレート法務部、グローバル調達本部、経営企画グループの責任者クラスが兼務で参加。さらに、楠見雄規グループCEOが委員長を務めるサステナビリティ経営委員会と連携しながら、サステナビリティ経営に関する方針や戦略の策定、外部への情報発信、外部機関との情報交換などを行っている。

サステナビリティデータブックもその活動のひとつで、サステナビリティ関連発信の中核媒体として、全体戦略やESGの各要素までを網羅しているという。

パナソニック ホールディングス 経営戦略部門サステナビリティ経営担当兼サステナビリティ経営強化プロジェクトリーダー 上席主幹の奥長秀介氏は、「今年のサステナビリティデータブックでは、最新情報へのアップデートとともに、全体戦略および環境戦略について、見直しと拡充を行っている。地球環境をはじめとする社会課題に対して正面から向き合い、その解決に取り組み、持続可能な社会への貢献を果たし、結果として持続的な企業価値の向上を図るという基本姿勢を改めて明示した。また、ステークホルダーの関心ごとに応えられるように内容の見直しを行った。各マテリアリティのKPIの記載を拡充している点も新たな内容といえる」と述べている。

○製品戦略にも及ぶ長期環境ビジョン

パナソニックグループでは、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、自社でのCO2排出量削減に加え、社会におけるCO2削減貢献量の拡大を目指した事業活動に取り組んでいる。

その実現に向けた環境行動計画と位置づけているのが、「GIP(グリーンインパクトプラン)2024」である。GIP 2024は、2024年度を最終年度とする3カ年の計画で、「OWN IMPACT」として、2024年度までに、自社バリューチェーンでのCO2削減量を1634万トン、「CONTRIBUTION IMPACT」として、社会へのCO2削減貢献量で3830万トンを目指す。なかでも、OWN IMPACTでは、スコープ1および2で、CO2ゼロ工場を37工場に拡大。スコープ3では顧客の製品使用におけるCO2削減量として1608万トンを想定している。また、資源/CE(サーキュラエコノミー)への取り組みでは、工場廃棄物のリサイクル率で99%以上、2024年度までの3年間での再生樹脂の使用量を9万トン、CE型事業モデルおよび製品では13事業での対応を目指している。

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