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クラリベイトがノーベル賞有力候補22名を発表、2名の日本出身研究者も受賞

マイナビニュース / 2024年9月20日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

英Clarivate(クラリベイト)は9月19日、近い将来ノーベル賞を受賞する可能性の高い研究者が選出される「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞(Clarivate Laureates)」の2024年版を発表した。

同賞は、同社の学術文献引用データベース「Web of Science」のCore Collectionをもとに、論文がどの程度引用され、学術界にインパクトを与えたのかなどを考慮し、ノーベル賞クラスと目される研究者を選出するもの。これまで同賞の受賞者の中から75名が実際にノーベル賞を受賞しており、そのうち4名(山中伸弥氏、中村修二氏、大隅良典氏、本城佑氏)が日本人受賞者となっている。

同賞はノーベル賞の科学系4賞(生理学・医学賞、物理学、化学、経済学)と同じカテゴリで構成されており、2002年以降、毎年ノーベル賞発表月の前の月となる9月に発表されてきた。

その選出方法は、2000回以上引用されている学術界に与えた影響が大きい論文(高インパクト論文)といった定量的な要素をベースに、研究への貢献度や他の賞の受賞歴、過去のノーベル賞から予想される注目領域などの定性的要素を含めて検討されるものとなっている。同社によると、引用回数2000回以上という数値は、1970年以降に発表された6100万件以上の論文の9600件程度(0.015%)だという。

同賞は毎年最大36名(各分野3トピック×3名×4分野)が選出されるが、2024年は22名が選出され、その研究者の主要所属学術機関の国別内訳は米国が11名、英国が6名、スイスが2名、そしてドイツ、イスラエル、日本が各1名となっている。

今回、日本出身の研究者として選出されたのは生理学・医学分野と化学分野の2分野。生理学・医学分野は、「運動制御や学習行動の中心となる大脳基底核の生理学的研究」として米国国立眼病研究所の彦坂興秀氏が、化学分野は「水分解用光触媒と太陽光水素製造システムの構築に関する基礎研究」として、信州大学アクア・リジェネレーション(ARG)機構 特別特任教授、東京大学 特別教室 特別教授の堂免一成氏(東京工業大学 名誉教授)がそれぞれ表彰された。

水素社会の実現に必須な安価な水素製造技術

堂免氏の研究テーマは「太陽エネルギーと水から直接水素を製造する光触媒およびシステムの開発」というもの。日本は世界に先駆け水素社会の実現を目指した取り組みを推進しているが、その普及のカギを握るのが水素の生成コストの低減。太陽光から水素を生成する方法は大きく3つ。水素の生成というと、中学生の理科の授業で水に電気を流すことで水素と酸素を発生させる電気分解を思い浮かべるが、これは太陽電池を活用して、発生した電力を用いて水を電気分解する手法につながる。太陽電池も普及し、水もあるため、すでに実用レベルに達していると言えるが、世界にその仕組みが普及しているとは言えない。その理由は、この方法で作られる水素エネルギーの値段が、化石燃料由来のものと比べて数倍高いためで、このコスト削減がなかなか進まないことが課題となっている。

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