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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第2回 明治32年7月17日、日本電気株式会社の設立

マイナビニュース / 2024年10月29日 12時0分

この状況を改善したのが逓信省製機所出身の技術者による指導と、WEによる材料供給および生産方法の指導、そして、優れた道具の手配であった。
現代へも受け継がれる創業時のDNA

NECは、1902年5月に、電話機の生産を開始してから3年半を経て、最初の目標であった累計生産1万台を出荷した。当初の予定よりも時間はかかったが、品質を高めながら量産することにこだわり続ける姿勢は変えなかった。

NECは、創業にあわせて、営業部門の基本方針として、「Better Products, Better Service」のスローガンを掲げた。営業部門を統括していた前田氏が打ち出したものであり、英語としていたことも、外資系企業がバックにいることを伺わせるものといえた。

このスローガンによって、NECが輸入販売する機器が世界でも一級品であること、NEC自らが生産する機器も世界一級品であること、そしてアフターサービスにも責任を持つことを、社会との約束に掲げたというわけだ。経営陣は、工場に対して、この約束にふさわしい製品の生産を要求。不合格品を惜しまずに廃棄したのもこの姿勢を徹底するためだ。また、顧客接点の現場においては、注文量の多少にかかわらず、取付や調整、保守、修理の作業に万全を期すように徹底した。

また、「Best」ではなく、「Better」とした点にも意味がある。Bestとした時点で、それ以上に最高の製品やサービスはないが、「Better」としたことで、常に最高のものを追求しつづけるという姿勢が明確になる。NECは、常により良いものを追求していく姿勢を、「Better」という言葉に込めたというわけだ。

125周年を迎えた現在のNECでも、Principles(行動規範)のひとつに、「創業の精神『ベタープロダクツ・ベターサービス』」の一文を盛り込んでいる。

このように、製品の品質とアフターサービスの強化に徹底的にこだわり、顧客本位のビジネスを行うことは、NECが創業時から持つDNAなのである。

現在のNECには、逃げ出さない、諦めないという姿勢が根づき、高い要求に必ず応え、最後までやり切る企業としての評価がある。通信事業者や金融、防衛分野などが要求する高度なSI(システムインテグレーション)の実現につながる源泉といえる部分だ。125年の歴史によって培われてきた精神が、NECのDNAとして組み込まれているのは間違いない。

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