どの「M」が一番速い? Apple Mプロセッサーを今一度整理してみよう(後編)
マイナビニュース / 2024年10月28日 16時4分
「Apple M4」プロセッサーの登場により、Apple製品が搭載する「M」系プロセッサーは若干混乱を伴うラインナップとなっている。一体どのプロセッサーが一番速いのか。
M系プロセッサの各モデルは、高性能コアとGPUコアの数が上にいくに従ってどんどん増えていく形で強化されている。ちなみに図にはないが、「Ultra」は単純にMaxを2つ繋げただけの脳筋SoCで、サイズもやたら大きい。
この4つのモデルの違いは、基本的にCPUおよびGPUのコア数と、最大メモリ搭載量(および帯域幅)だけだ。前回、A/M/Sの比較で世代が同じならコアの性能はほぼ同じだと言ったが、同じ世代間でも、コア1つあたりの性能は、どのモデルでもほぼ同等なのだ。つまり、ウェブを見る、音楽を再生するといった、高効率コアでも済みそうな比較的軽い処理しかしないなら、M1とM1 Maxの間での性能差はほとんどない(さすがにUltraは高効率コアも多いので、多少違うかもしれない)。
一方、これが3D CGのレンダリングなど、並列処理が効果的な処理になると、コア数によるブーストやメモリ帯域幅の強化が大きく効いてくる。Pro以上のモデルは、文字通りプロ向けのプロセッサというわけだ。
実際、搭載されている製品群を見ても、iMacやMac mini、MacBook Airといったコンシューマ向けプロダクトにはM1が、プロ向けであるMacBook ProやMac StudioにはM1 ProやM1 Max、M1 Ultraが搭載されている(MacBook Pro 13インチモデルのみ「Pro」の名が付いているのにM1止まりだったが、あれは、実質無印MacBookの「名ばかりPro」だったので…)。M系のプロセッサは「コア数が全て」だと覚えておこう。
○現在のプロ向けデスクトップMacを支える「M2」
M1世代の次に登場するのが、2022年6月に発表された「M2」プロセッサだ。M2はコアのアーキテクチャが刷新され、iPhone 13シリーズに搭載される「Apple A15 Bionic」と同世代になっている。製造プロセスはM1と同じ5nmだが、プロセス自体が第2世代のものになっている。また、M2世代でも「Pro」「Max」「Ultra」の各モデルは存在しており、それぞれM1世代と比較してコア数が増強されている。
基本となるコアのアーキテクチャが刷新され、クロック周波数も1割程度向上したこともあり、M1と比較するとCPUで十数%、GPUで30%以上、Neural Engineで40%近く性能が向上しているという。
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