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奈良交通とNTT西日本が作った「観光バス リモート案内システム」とは?

マイナビニュース / 2024年11月28日 10時0分

こうして2023年6月ごろから何度も試走を繰り返し、11月に試験導入がスタート。2024年5月に本格導入となった「観光バス リモート案内システム」。現在、奈良交通が保有している106台のバスのうち20台にシステムが導入されているという。

2024年5~6月の春シーズンには28校が修学旅行で利用し、のべ119台が運行されたそうだ。また9~12月の秋シーズンではのべ350台の運行を見込んでいるという。だが、リモートガイドに対応できるバスガイドは櫻井氏を含め現在3~4名と、まだまだ少ない。

「新しく2名の方にリモートバスガイドを担当してもらっていますが、この2名はともに子育て世代の方です。リモートで業務を行っていただくことで拘束時間を短縮した働き方ができています。また、リモートガイドは観光地を歩いて案内することがありませんので、身体的な負担もありません。このシステムによって働き方改革や多様性が実現できると思っています」(奈良交通 小坂元氏)

始まったばかりのサービスのため、現状はっきりとした効果は測定されていないが、顧客の評判は上々だという。例えば「運行が始まっても先生からの注意事項がすべてのバスに流せる」「車両の真ん中にもモニターがあるため後部座席からでもガイドが見える」といった点は評価が高い。また、併走している他のバスの様子がわかることが安心感に繋がっているようだ。最近の子どもたちはリモートに慣れているので順応も早い。

一方、問題は通信が途切れたときで、一台ごとに切断されたり繋がったりが繰り返されると、リモートバスガイドの疲労にも繋がってしまう。

「現在、通信が途切れた場合は交流ナビゲータが生徒とコミュニケーションを取ったり、DVDなどの映像を流したりと、運用でカバーしています。通信環境がもっと良好になれば、さらにニーズは増えると考えています」(奈良交通 大谷氏)

これに対し、NTT西日本 奈良支店 ビジネス営業部の杉山明日香氏は「通信状況の問題はずっと課題があったので、私たちもきちんと向き合わなければと思っています。奈良交通さんの『良いものを作りたい』という気持ちをすごく感じるからこそ、私たちも頑張らなければと感じています」と返答する。

○2025年度の目標はのべ2,000台の運用

NTT西日本が担当しているエリアの中でも、「観光バス リモート案内システム」のようなシステムを本格的に導入している例はなく、実運用として稼働しているのは奈良交通が初めてだという。そもそも観光バスツアーでのDX事例自体、全国的にも非常に珍しい。

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