大人のインフラ紀行 第5回 日本で唯一、本物の下水道管の中に入れる「小平市ふれあい下水道館」- 下水道の暗闇の中に見たものとは
マイナビニュース / 2024年11月7日 7時0分
インフラツーリズムとは、公共施設である巨大構造物のダイナミックな景観を楽しんだり、通常では入れない建物の内部や工事風景を見学したりして、非日常の体験を味わう小さな旅の一種である。
日常の散歩からちょっと足を伸ばすだけで、誰もが楽しめるインフラツーリズムを実地体験し、その素晴らしさを共有することを目的とする本コラム。今回は東京都小平市が運営する施設、「小平ふれあい下水道館」を訪ねてみた。
○下水道は恐ろしい。子どものころに読んだ漫画がトラウマとなり、植え付けられたイメージ
ある年代以上の人の一部が、下水道というものに恐怖の念を抱きがちなのは、きっとアレのせいだ。
手塚治虫の名作、『ブラックジャック』の「地下水道」という回である。
敵対組織を攻撃するためなら手段を選ばぬ、冷酷なリーダー率いる過激派グループが、敵アジトのあるアパート真下の地下水道に潜入。無関係の住人もろとも吹っ飛ばそうと計画した。
しかし爆弾は仕掛ける前に暴発し、リーダーは瓦礫の下敷きになってしまう。重傷を負ったうえ身動きが取れないリーダーを極秘で看させるため、ブラックジャックが呼ばれるのである。
警察に連絡して助けを呼び、体を引き出さなければどうにもならないというブラックジャックの主張を、罪の発覚を恐れるテロリストは受け入れない。そして他のメンバーたちは輸血用の血液を調達する名目で出かけ、何時間待っても戻ってこない。リーダーは見捨てられたのだ。
二人きり取り残されたことが分かると、ブラックジャックは助けを呼ぶためリーダーの元を離れるが、地下水道の中に響き渡る彼の叫び声に気づき急いで戻る。
リーダーは、そこに棲みつく大量のドブネズミに襲われていた。
ブラックジャックが必死でネズミを追い払うと、食いちぎられてズタボロになった顔で「先生、助けて……」とつぶやくリーダーが。その姿は、トラウマ級のインパクトだ。ネタバレを承知で結末を書くと、瀕死の彼を救ったのは、敵とともに殺しても致し方ないと考えていたアパートの住人たちだった……という話である。
『ブラックジャック』の愛読者だった小学生のころの僕は、その回を読んで以降、下水道というものには一生近寄りたくないと思った。
もちろん、物の道理をわきまえる大人になってからは、下水道=ネズミの大群=食い殺される! というような短絡的な恐怖はなくなり、下水道こそ都市で暮らす人々にとってなくてはならない超重要インフラと認識するようになったが、トラウマというのは大したもので、なんとなく下水道は怖いというイメージを引きずっていた。
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