実業団で活躍したプロバレーボール選手はどんなセカンドキャリアを歩む?
マイナビニュース / 2024年11月6日 18時40分
2007/08V・プレミアリーグで最優秀新人賞、2012年の第61回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会でベスト6賞、2013/14 V・プレミアリーグで優勝に貢献し同時にベスト6賞を受賞するなど、輝かしいキャリアを持つバレーボール選手だ。
「思い出に残っているのは、あまり明るい話ではないのですが、僕の先輩がなくなってしまった年のシーズンです。『先輩のために絶対に優勝しないといけない』という思いで自然とチーム全体がひとつになっていましたし、結果として優勝することができたことはすごく思い出深いですね。『人のためになにかする』っていうのは『自分のためにやろう』よりも力が出ると思いました」(白澤さん)
そんな白澤さんが現役を引退したのは2022年。当時37歳だった。実は、30歳のころに一度引退の希望を伝えたことがあったという。
「僕がパナソニック パンサーズに入ったのは、学生時代に一度も日本一を取ったことがなくて、そのまま引退するのがいやだったからなんです。その目標も達成しましたし、次に考えることといったらやっぱりこれからの人生。30歳でも遅いと思いますけど、『社業に早めに戻りたい』とチームに伝えたんです。でも『まだチームにいてほしい』と要望をいただいて、そこからコーチ兼任選手になって『そういうのも面白いな』と思いながら続けてきました」(白澤さん)
こうして現役でプレーを続けたものの、やはり才能ある若い選手が入ってきたときには下からの突き上げが刺激になり“負けたくないという気持ち”が生まれたり、逆に「僕が試合に出るよりも若い選手に経験させた方がいいな」と思ったり、さまざまな葛藤があったそうだ。
「37歳で引退を決めたのは“もう体がついていかない”っていうのが一番大きかったですね。引退を考えたタイミングで、東京2020オリンピックでフランス代表を金メダルに導いたロラン・ティリ監督がチームに来てくれて、その人のもとで勉強することもできたので、一度幕を引いてもいいかなと思いました」(白澤さん)
だが、セカンドキャリアに向かうにも“バレーボールしかしていないという不安”はあったという。そんなときにチームから「コーチになってほしい」という誘いがあり、白澤さんはその道を選んだ。
「コーチという道を選んだのは、やはり『37歳で社業に戻っても……』という部分と、『ロラン・ティリ監督のもとでコーチができる』という部分が大きかったですね。もし誘われていなかったら、社業に戻って人事の仕事をしていたと思います」(白澤さん)
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