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NVIDIA AI Summit Japanパネルディスカッションレポート 第3回 10年がかりのAI人材育成に日本企業はどう挑むべきか

マイナビニュース / 2024年11月20日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

NVIDIAは11月12日~13日に、ユーザー向けAIカンファレンス「NVIDIA AI Summit Japan」を東京都内のホテルで開催した。同イベントでは生成AIやロボティクス、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)などをテーマに50以上のセッションやデモが披露された。

本連載では、イベント2日目に開催されたソブリンAIに関するパネルディスカッションの模様を、全3回に分けてお届けする。進行はNVIDIA エンタープライズ事業本部長の井崎武士氏が務めた。トークテーマは「ソブリンAI、その役割と想像する新たな可能性」。3本目となる本稿では、国産の生成AIを開発するための人材育成について紹介しよう。

登壇者は以下の通り。
・東京大学 大学院総合文化研究科 准教授 馬場雪乃氏
・経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 情報処理基盤産業室室長 渡辺琢也氏
・ソフトバンク テクノロジーユニット統括 データ基盤戦略本部執行役員本部長 / SB Intuitions 代表取締役社長 兼 CEO 丹波廣寅氏
・Turing 共同創業者 取締役 青木俊介氏
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井崎氏:長期的な目線で見ると、人材教育への投資も必要です。馬場さんは教育者の立場ですが、人材育成についてはどのようにお考えですか。

馬場氏:正直に言うと、大学でのAI教育はまったく追い付いていません。生成AIが登場してからも技術の革新があまりに速すぎて、大学の教育プログラムの改訂が対応できません。個別にカリキュラムを工夫して対応している先生も一部いらっしゃるかもしれませんが、組織としては対応できません。AI教育は効率が悪いというのが大学の現状です。

もう一つ課題があります。研究者は研究用のGPUなどのマシンリソースを使えますが、教育用のマシンリソースはありません。これでは学生が実体験を積めませんので、民間企業と連携するなど改善が必要です。

井崎氏:企業から見ると、若手の人材育成の課題はどこにあると考えますか。

青木氏:AI開発で大切なことはパワーのあるGPUなどのマシンを触る環境です。私たちのようなスタートアップであれば、会社の存続に直結しますのでマシンリソースに思い切った投資ができますが、そのような極端な意思決定は大学機関では難しいでしょう。また、予算も年度単位ですので、半年後~1年後の予算を取るために申請書を書くような動きになります。AIの世界は数カ月であっという間に変わりますので、それに対応する制度設計も必要だと感じます。

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