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福島から宇宙へ、気球からの打ち上げに挑むAstroXの「FOX」発射実験を見た!

マイナビニュース / 2024年11月16日 6時0分

打ち上げ試験が行われるのは、南相馬市南部の沿岸部。AstroXは2024年8月にも、同じ場所で全長1.8mとより小型のハイブリッドロケット「kogitsune」の打ち上げを行って成功している。FOXロケット1号機はそれに続く打ち上げ実験なのだが、今回は初めてその様子が一般に公開された(見学は事前登録制)。

ランチャーの仰角は76度に設定。ロケットは海岸に向け、ほぼ真東に打ち上げられる。洋上へ飛ばすために斜めに打ち上げることになるので、事前想定では到達高度は8km程度。落下中にパラシュートを展開し、海上で機体を回収する計画だ。

11月9日の打ち上げウィンドウは、6時〜7時半に決定。こんな早朝にもかかわらず、見学場が設けられた小高区浦尻地区には大勢の人が詰めかけた。出店などは特になく、本当にただ見るだけなのだが、クルマが使えない人のためには駅からのシャトルバスまで用意されていた。

当日の天候は快晴で、気象条件は問題無し。打ち上げの準備は順調に進み、酸化剤の充填にやや時間がかかったものの、カウントダウンの後、6時56分に点火。ロケットは轟音とともに飛び立ち、周囲からは大きな歓声が上がった。

それからまもなく、見学場では小田CEOと和田CTOが報道関係者の取材に応じ、速報結果の報告が行われた。それによれば、ロケットは22秒で予定通り燃焼を停止。正常に飛行したことが確認できたという。

その後、報道関係者にはより詳細な情報が送られてきたのだが、それによると、到達高度は約7kmと推定。ただ、前述の分離機構は正常に動作しなかった模様で、ロケットは打ち上げ時と同じ形のまま、着水したことが確認されたという。この機能については、次の打ち上げで引き続き実証することになるだろう。
ロックーンの開発ロードマップ

AstroXは、南相馬市に本社とR&Dセンターを置いており、この地を拠点として今後もロケット開発を進める方針だ。南相馬市を拠点に選んだ理由について、小田CEOは「行政としての意思決定の早さ」が決め手だったと語る。今後、気球もここから飛ばす予定で、「宇宙産業の集積地になれば」と期待する。

同社は、宇宙空間への到達までをフェーズ1、衛星軌道への到達までをフェーズ2と、2段階の開発を計画。それぞれ、フェーズ1は2025年度、フェーズ2は2028年度の実現をめざす。衛星は重さ100kg以下の超小型衛星を想定しており、打ち上げコストは5億円以下となる見込みだ。

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