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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第5回 通信技術の飛躍 - 戦後日本を支え、衛星が宇宙へ上がり、日本を守る企業へ

マイナビニュース / 2024年11月19日 12時0分

NECは、衛星通信技術やシステムインテグレータとしての強みを生かして、航空機の安全なフライトや離着陸を支える航空管制システムおよび衛星運用システムで長年の実績を持つ。

1970年に、飛行計画情報処理システムの運用を開始して以降、航空交通量の増加とともに、NECの航空交通管制システムの導入が拡大。日本における民需の航空管制システムでは50%以上のシェアを持ち、航空自衛隊向けの航空管制システムでは、実に100%のシェアとなっている。

同社の関係者が、「日本の空を守っているのはNECだといっても過言ではない」と言い切るのも間違いではない。

なかでも、大規模な導入事例となるのが、2015年に運用開始となったFACE(Flight object Administration CEnter system)と、2018年から運用を開始したHARP(Hybrid Air-route suRveillance sensor Processing equipment)であり、航空管制のおける情報のデジタル化および共有、飛行状況の把握のためのセンシングの要としての役割を果たしている。

FACEでは、管制官による人での対応を前提とした従来の飛行計画から、フライト・オブジェクト・データをシステムで管理し、人の判断支援をする役割を果たし、人とシステムによる、より安全で効率的な航空交通管理の実現が可能になった。また、HARPは、複数のセンサーから得られる航空機の位置情報を統合することにより、精度を高めた位置情報を管制官に提供し、センシング情報の有効活用が行える。

さらに、GPSを利用した民間航空機の進入着陸を支援する着陸誘導システム「GBAS(Ground Based Augmentation System)」においても実績を持つ。NECでは、1990年代後半からGBASの研究開発を開始。国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所の電子航法研究所向けに、プロトタイプGBASを開発。2001年に仙台空港、2010年に関西国際空港に設置。2016年には国土交通省航空局から、国内初の実運用システムとして、東京・羽田の東京国際空港向けGBASを受注し、2020年3月から稼働している。

一方、防衛では、防衛管制システム、指揮統制システムや後方支援システム、レーダー情報処理システム、誘導制御・計測システム、水中音響センサー、地上通信システムなどを開発。複雑な動きのミサイルを捕捉する唯一無二のアルゴリズムを搭載した警戒管制レーダーの開発実績などを持つ。

日本に対する攻撃への対応に加えて、宇宙やサイバー、電磁波といった新たな領域においても、攻撃を阻止、排除するための能力を高めており、センサーやネットワーク、リモートセンシングに関連した専門ソフトウェア技術を長期的な戦略に基づいて培っているという。NECグループが蓄積してきた高度なミッションクリティカルシステム構築の技術やノウハウを活用し、「国家の安全保障」と「国民の安全・安心」に貢献している。

NECの森田隆之社長兼CEOは、「サイバーセキュリティや宇宙、量子暗号および量子センサーなどの先進的技術領域において、世界の中でリードする技術を確保することは、自国を守る意味でも非常に重要であり、国際的な平和にも貢献できる」と語る。
(大河原克行)



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