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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第6回 栄光のはじまり、NECのコンピュータ開発史

マイナビニュース / 2024年11月26日 12時0分

約2年をかけて、コンピュータの設計が完成。そのときに、NECと東北大学が世界一の科学技術用計算機を共同開発するという話が持ち上がり、そこに渡部氏の設計がそのまま採用されることになったのだ。1958年に稼働したNEAC-1102は、パラメトロンを約1万個使用。東北大学に設置され、SENAC-1と命名された。
脈々と続いてきたNECコンピューターのひろがり

NECは、NEAC-1101の誕生と同じ1958年には、同社初のトランジスタ式電子計算機「NEAC-2201」も誕生させている。これも国産部品で構成しており、1959年に、パリで開催されたユネスコ主催のAUTOMATHに展示。世界で初めて、トランジスタ式電子計算機を稼働させ、NECのコンピュータに関する技術力に、世界中から大きな注目が集まるきっかけとなった。なお、NEAC-2201の第1号機は日本電子工業振興協会の計算センターに納入されている。

1959年には、「NEAC-2202」および「NEAC-2203」を開発した。とくに、大型コンピュータに位置づけられる「NEAC-2203」は、近畿日本鉄道の座席予約オンラインリアルタイムシステムに採用されるなど、短期間に30台を販売するという実績をあげてみせた。

その後も、NECはコンピュータの開発体制を強化しながら事業を拡大。1958年以降、NECは国内コンピュータ市場において、トップの販売実績を維持することになる。

1964年に発売したNEAC-2200は、1年間に100台近くを販売したほか、同年には、コンピュータの専門工場として東京・府中に府中工場を建設し、コンピュータ事業の基盤を強固なものにしていった。

同社によると、NECのコンピュータ事業は、1965年には全社売上高の9%となる80億円だったものが、1970年には623億円に達し、NEC全体の25%を占める事業規模にまで急拡大していった。

コンピュータ事業を開始して以降、幅広いユーザーへの導入が進んでいる。警察庁の全国オンラインシステムをはじめ、総理府統計局、通商産業省、郵政省、運輸省、厚生省、農林水産省、建設省などの中央官庁のほか、各大学や研究機関、公団、事業団などの政府関係特殊法人に対して導入。また、1976年からは、郵政省簡易保険局の全国簡易保険オンラインシステムなどの納入も始まった。民間企業への導入も促進され、NECが民需ビジネスを拡大するきっかけのひとつにもなっている。

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