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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第6回 栄光のはじまり、NECのコンピュータ開発史

マイナビニュース / 2024年11月26日 12時0分

NECのコンピュータ技術を活用したシステムのひとつに、1971に郵政省が導入した全自動郵便処理システム「NS-100」がある。郵便局における選別取り揃え、押印、郵便番号自動読み取り、区分を自動的に行うシステムとして、郵便サービスの効率を向上。その先進性が注目を集めた。

NECのコンピュータを導入しているユーザーコミュニティも早い時期に設立されている。1959年には、関西NEACユーザー会が発足。その後、全国各地にNEACユーザー会が誕生し、1968年には、各地のユーザー会を全国規模で編成することで、「全NEACユーザー会」が生まれた。

コンピュータの利用企業の拡大とともに、ユーザー会の活動も年々活発化し、ユーザー間の情報交換やメーカーとユーザーとの結びつきを強める役割を果たした。また、NECにとっては、多くの助言が得られる場にもなっており、コンピュータ事業の発展には欠かすことができない存在となっている。

その後、名称を、NEC C&Cシステムユーザー会(NUA)に変更。2022年度末に発展的解散をした。現在は、対話を通じて新しい価値の共創を目指すことを目的とした「BluStellar Communities」を、2024年8月にスタートし、新たな形での活動を開始している。
初めて聞いた「ソフトウェア」という言葉

NECのコンピュータ事業は、1962年の米ハネウェルとの技術提携により加速した。

米ハネウェルとの技術提携によって開発したのが、先に触れたNEAC-2200である。最大の特徴は、小型から大型コンピュータまで、ひとつのソフトウェアを、一貫して使用できるように設計した点であった。「ワンマシンコンセプト」と呼ぶ考え方であり、ユーザーの使いやすさを追求することにつながったという。いまでは当たり前の考え方ではあるが、ワンマシンコンセプトを採用したコンピュータメーカーは、日本ではNECが最初となった。

このとき、NECが提携先として、IBMなどを選択せず、ハネウェルを選んだ理由について、NECの70年史のなかでは次のように述べている。

「ハネウェルは精密測定器メーカーとして定評があり、コンピュータ開発にその経験を生かし、ソフトウェアの開発に力を入れることを重視した企業である。コンピュータの価格の半分はハードウェアであり、残り半分がソフトウェアである。ハードウェアの本質的な性能の差は比較的少なく、今後はソフトウェアの優劣で勝敗が決まる。日本は教育程度が高く、勤勉なブレインパワーが豊富である。これらを有効に生かすことで、将来は優秀なソフトウェアの開発が可能になる。NECは、ソフトウェアの面でコンピュータの特色を出そうとしてハネウェルと提携するのがいいと考えた」

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