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大河原克行のNewsInsight 第341回 狙いは? エプソン異例の大型買収、デジタル印刷の米企業を手に入れた真意

マイナビニュース / 2024年11月28日 20時46分

Fieryでは、商業印刷や工業印刷、パッケージング、サイン・ディスプレイグラフィック、セラミック、建材、テキスタイルなどの分野にソリューションを提供しており、これらの市場での貢献が見込まれる。

セイコーエプソンの小川社長は、「印刷イメージを作成するRIP(Raster Image Processing)のほか、受注から印刷に関わる処理、印刷機やプリンターへの出力、納品までワークフロー制御を、トータルで提供できるようになる。産業印刷領域におけるアナログ印刷プロセスのデジタル化の加速によって、デジタルプリンティング市場を拡大するとともに、新たな価値の提供による市場機会の創出と、顧客接点の獲得によるドメインの拡大、競争力強化による成長を実現できる」と述べた。

これまでのエプソンのプリンター事業は、マイクロピエゾ方式による独創のインクジェット技術をコアに、プリントヘッドやインクのほか、独自の制御システムや画像処理、精密加工、生産技術を組み合わせて、インクジッェトプラットフォームを構築。ホームやオフィス、商業・産業領域まで、プリンター本体のラインアップを拡充するとともに、プリントヘッドの外販を行い、パートナー拡大にも取り組んできた。

一方で、ソフトウェアソリューションは、自社プリンターへの対応を中心に揃えつつあるが、ソフトウェアプラットフォームを構築するところまでは至っていなかった。

Fieryの買収により、カラーコントロールテクノロジーやワークフロー領域を補完。プリンター完成品やプリントヘッドと組み合わせることで、顧客への提案力を強化できるという。

「ハードウェアとソフトウェアの2つのプラットフォームを構築でき、パートナーとともに、新たな価値を創出できる環境が整う」と述べた。

具体的な統合の効果、実現する3つのポイント

セイコーエプソンの小川社長は、具体的な統合の効果を3つの観点から説明した。

ひとつめは、エプソンのプリントヘッドと、高画質および高生産DFEの組み合わせによる効果だ。産業印刷市場向けに最適化した高い色再現性と、使いやすいソリューションを実現することで、パートナーに対して、プリントヘッドとソフトウェアをセットにした提案が可能になる。他のプリンターメーカーや印刷会社などが、デジタル印刷を導入しやすい環境を実現できるとしている。

2つめは、Fieryが持つ優れたワークフローに、エプソンの商業・産業プリンターを適合させることで、生産性向上をはじめとした高度な顧客価値を実現できる点だ。

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