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笑福亭鶴光が「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」を振り返る - 伝説の深夜番組の“今だから言える秘話”

マイナビニュース / 2024年12月11日 11時0分

※Voicyは厳選されたコンテンツを"ながら聴き"できる音声の総合プラットフォーム。鶴光師匠のチャンネルは「turuでおま」

──発信する場が増え、コンプライアンスが厳しくなったこともあって、個人の発言が「炎上」することも増えてきました。

鶴光:ラジオやテレビには放送基準があるけど、YouTubeなどにもガイドラインはあるわけで、それが守られているなら炎上まで行くことはあまりないと思います。

コンプライアンスと言うけど、「笑い」はもともと差別から来ているところがあるからね。たとえば金持ちと貧しい人のように、人間には財産や容姿、地位などの差がある。その立場を逆転させて、弱い方が強い方になんかやるとおもしろかったりするでしょ。そこから笑いが生まれる。『オールナイトニッポン』の頃は僕も新人で、ディレクターの方が立場が上やった。そこを逆手に取って、当時のディレクターに「宮本、お茶もってこい」と偉そうに言うたら、ブームになってみんな真似するようになったんや。

そういうものまでダメ言うことになったら、もう世界から笑いをなくさないといかん。落語も全部人情噺になってしまう。それはちょっと違うと思うね。今、漫才で自虐ネタを笑いに昇華している人がおるけど、それもどこが悪いんやと思う。ただ、個人攻撃はあかん。たとえば、特定の人間を動物にたとえるようなのはね。

僕が尊敬する人に毒蝮三太夫さんがいるけど、あんだけお年寄りに「ジジイ」とか「ババア」と言うても誰も怒らへんのやで。なんでかというと、あの人は弱ってるお年寄りには言わないのよ。自分に向かってくる強い人にしか言わない。しかも「ジジイまだ生きてやがったのか」と言っておいて、最後に「長生きしろよ」と声をかける。言いっぱなしじゃなくて、相手に対する思いやりがある。そういうやり方もあるのよ。僕には絶対できへんけど。今、炎上するのは言いっぱなしだからやないかな。

──現在のメディアやパーソナリティについて思うことがあれば教えてください。

鶴光:今の深夜放送って、そのパーソナリティのファンが聴いたらおもろいんや。でも、ファンじゃない一般の人が聴いたらよくわからんこともあると思う。ファンだけに絞って喋るのもいいけど、もうちょっといろんな人が聴いているかもしれないと意識したら、ネタや喋りも変わってくるんちゃうかな。

たとえば、ラジオをやっているとメールやファクスがくるけど、送ってくれた人以外にも聴いてくれてる人はいっぱいおる。高級なレストランで飯食ってるヤツは絶対ラジオなんて聴かんよ。でも、その裏で皿洗ってる人や料理作っている人の中には聴いてくれとる人もいる。そういう人は忙しくてメールも出せないし、ファクスも出せない。それが頭の片隅にでもあるとね、喋りが変わってくると思うんや。

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