「横浜モデル」が挑むデジタルテクノロジーを活用した未来の子どもの心のケア
マイナビニュース / 2024年12月25日 10時0分
今回のラボでは、横浜市立大学との共同研究契約の締結式や、「横浜モデル」の概要説明が行われた後、大学・企業・教育委員会による鼎談やグループディスカッションが実施された。特にグループディスカッションでは、「横浜モデル」の試行に対する期待や課題が活発に議論され、今後の展望が具体的に語られた。
○■横浜市と横浜市立大学による共同研究契約を締結
最初に行われた共同研究契約締結式では、横浜市教育委員会教育長の下田康晴氏、同学校教育企画部長の山本朝彦氏、横浜市立大学理事長の近野真一氏、同研究・産学連携推進センター教授の宮﨑智之氏が登壇し、契約書を確認のうえ締結した。
下田氏は挨拶で、横浜市の教育データを医療分野の専門知見をもとに分析し、子どものこころの不調を可視化して軽減する「横浜モデル」の意義を強調した。また、三層空間(リアル、オンライン、バーチャル)を活用した包括的なケア体制の構築を目指し、「全国初の取り組みを一丸となって成功させたい」と意気込みを語った。
また、リアル空間では学校や地域の保健機関との連携を強化し、オンラインでは横浜St☆dy NaviによるAIを活用したチャット相談機能を提供、バーチャル空間ではメタバース内でのアバターを活用した相談環境を構築するなど、具体的な施策に基づいて進めていく方針も示された。
続いて、近野氏は、横浜市立大学の研究者が企業と連携しながら進めている取り組みを紹介したうえで、「今回の契約締結を通じて研究成果を社会還元し、こころの問題を抱える子どもたちのケアに役立てていきたい」と期待を述べた。
具体的には、医療データの分析を通じて心の健康リスクを早期に検出し、学校と保健機関が連携して適切な支援プランを提供する体制を構築することが挙げられる。
○■ディスカッションを通じて見えてきた「横浜St☆dy Navi」の可能性
「横浜教育データサイエンス・ラボ」では、大きく2種類のディスカッションが行われている。一つは、この日のように、これまでの取り組み成果を報告し、意見交換を行う形式のディスカッションだ。そしてもう一つは、日々の議論や大学・企業を含むこれまでの積み重ねを踏まえ、教職員も加わった形で新たな気づきやアイデアを創出する場としてのディスカッションである。今回のディスカッションには、現地参加者48名に加え、オンラインでの参加も含め、活発な議論が展開された。
ディスカッションに先立ち「横浜St☆dy Naviでの健康観察 現時点でのデータから見えること」と題したセッションも行われた。セッションには、株式会社内田洋行のシステムエンジニアリング事業部ネットワーク技術推進センター部長である武田考正氏と、横浜市立大学研究・産学連携推進センター特任講師の雨宮愛理氏が登壇した。
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