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大河原克行のNewsInsight 第344回 家電生産の国内拠点、スマート工場化が進む日立GLSの栃木事業所を見てきた

マイナビニュース / 2024年12月29日 23時27分

日立グローバルライフソリューションズ ホームソリューション事業部冷熱家電本部長兼モノづくり改革本部長の石田宣浩氏は、「栃木事業所の生産技術部には、チャレンジングな技術者が多い。混流生産を自動化するための実験を日々行っている」とし、「冷蔵庫の生産ラインの自動化によって、自動化による効率化は、3年間で30%向上している」という。

さらに、変動が激しい家電の市場動向に合わせて、フレキシブルに対応できる生産体制を構築。MES(製造実行システム)の活用により、工程の進捗やモノづくり品質、在庫を可視化し、生産計画の変更などにも柔軟に対応するなど、オペレーション全体のデジタル化を促進している。今後は、AIの活用も検討していくという。

また、多様な人財が安全に働ける職場づくりを目指しており、現在、20以上の国や地域の外国人が作業に従事していることから、安全体感センターを活用して、多言語で安全教育を実施していることも紹介した。

これらの取り組みを通じて、S(セーフティ)、Q(クオリティ)、D(デリバリー)、C(コスト)の観点から、生産拠点全体の強化を図っているという。

一方、環境への取り組みでは、2つの特徴がある。

ひとつめは、事業所内での循環型モノづくりに取り組んでいることだ。

同じ敷地内に、リサイクルを行う関東エコリサイクルがあり、その立地を生かした循環型モノづくりを推進。再生プラスチックの使用を見据えて、ダークトーンの部品を積極的に採用した冷蔵庫を製品化。さらに、冷蔵庫のガラスドア処理を効率化するため、ガラス研磨システムを独自に開発し、関東エコリサイクルに導入している。

もうひとつは、再生可能エネルギーの活用だ。2022年から、PPAモデルによる太陽光パネルの設置を開始。年間CO2排出量を約1440トン削減するほか、関東エコリサイクルでも、2019年から太陽光パネルを設置し、年間CO2排出量を約300トン削減しているという。現在、栃木事業所構内の6カ所に太陽光パネルを設置。カーボンニュートラルの実現に向けて強化している。

冷蔵庫の生産拠点の様子を見てみよう。

冷蔵庫の組立工程は、内箱の前組みからはじまり、外板製缶工程、外箱前組み、外箱へのウレタン発泡工程、サイクル品組立を行ったのち、総組立を行い、扉の取付工程、内装品の取付工程を経て、商用試験を実施。梱包工程を経由して出荷されることになる。

混流生産方式を採用しており、多品種小ロット生産に対応。これにより、在庫を大幅に減少させながら、多機種の適量補充を実現しているという。さらに、混流生産の自動化に取り組んでおり、従来は、それぞれの機種にあわせて自動化の段取りを行ってきたが、現在は、ロボットを活用して三次元の画像カメラと同期させ、生産する機種を判別しながら、ロボットがそれにあわせて組立を行うようになっている。冷蔵庫にあわせた大型多関節ロボットを含めて、約90台のロボットが稼働している。

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