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大河原克行のNewsInsight 第344回 家電生産の国内拠点、スマート工場化が進む日立GLSの栃木事業所を見てきた

マイナビニュース / 2024年12月29日 23時27分

すべての部品の取り付けが終わると、商用検査の工程に入る。キズやヘコミ、汚れなどの外観検査のほか、扉の開閉などを試験。さらに、冷媒リーク試験、冷却性能試験、電気測定試験、耐圧試験、液晶パネルの動作確認試験などを行う。すべての試験を合格したものが梱包工程に搬送される。梱包作業では、収縮性の高いストレッチフィルムを使用し、自動で包装。これにより、外観の汚れを防止し、搬送時の扉が開いてしまうことも防げるという。また、梱包用の段ボールも、すべてロボットが組み立てて、被せるという。梱包が完了すると製品倉庫に移送され、市場に出荷することになる。

品質向上に向けて、デジタル技術を活用した自動化への取り組みも加速している。

デジタル化した自動検査により、ヒューマンエラーの排除や、欠品、誤組、扉段差不良の流出防止を実現。不良原因の撲滅のために、2021年からはゲート管理を強化し、不良の原因究明を強化。設計改善や自動化によって、再発防止につなげているという。また、多言語化した品質タブレットを用意したり、品質ミーティングによる勉強会を開催したりすることで、品質意識の向上にもつなげているという。

また、年間200~250件の現場改善を実施しており、作業のムダの低減、レイアウトの改善、部品箱や工具の改善、治具化や棚車化などの成果があがっている。外国人就労者も改善活動に参加しやすいように、毎月、アンケートを行い、母国語で書いたもらった内容を翻訳し、改善提案活動に反映している。

「日々の改善活動の結果が自動化にもつながっている。働きやすい職場づくりと、働きがいのある職場づくりの実現にもつながっており、どんな人でも働いてみたいという環境をつくりたい」(日立グローバルライフソリューションズの石田本部長)と述べた。

栃木事業所では、安全体感センターを設置している。

生産業務に従事するすべての従業員に対して、安全教育を実施しており、安全体感センターは、そのための施設となっている。入社時には必ず安全体感教育を受講し、その後も毎年1回ずつ受講することになっている。

安全体感センターでは、工場内で発生する災害を再現し、危険性を理解したり、安全に関するルールを理解するためのセミナーを行ったりといったことが行われている。外国人就労者向けには、複数言語でセミナーを開催しているという。

「日立グループでは、『安全と健康を守ることはすべてに優先する』という理念があり、これに則り、危険を理解すること、安全のルールを理解すること、安全に関するコミュニケーションを取ることを重視している。安全体感センターは、危険を理解するという点で重要な施設になる」(日立グローバルライフソリューションズの石田本部長)とした。

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