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大河原克行のNewsInsight 第344回 家電生産の国内拠点、スマート工場化が進む日立GLSの栃木事業所を見てきた

マイナビニュース / 2024年12月29日 23時27分

ウレタンは、断熱性能を高めるとともに、冷蔵庫の薄壁、大容量化の実現や、給湯機ではお湯が冷めにくく、高剛性および耐震性を高めるという点でも効果があり、冷熱機器には欠かせない技術のひとつである。栃木事業所の工夫によって、ウレタンを高い精度で注入し、断熱性を高めることに成功している。

ウレタン発泡工程が終わると、圧縮機やコンプレッサー、蒸発機などの組立を行うサイクル工程に移動。箱体にあわせた部品の組み付けを実施。冷却システムの配管のロウ付けもここで行っている。

冷却システムの取り付けが終わると、外板と内箱の隙間に水侵入防止用のシール剤を塗布する。この工程もロボットによる自動化を進めており、冷蔵品質の向上に貢献している。これも、生産技術部によって内製されたものだ。三次元画像センサーを活用し、コンベア上を移動している冷蔵庫の速度を捉えながら、高精度にシール剤を塗布することができる。

このあとに、冷却配管の真空化と、冷媒封入を行い、2階の組立工程に搬送される。

2階フロアは、総組立から始まる。

この工程からは、セル生産方式を採用している。部品点数が多いことや、混流生産では機種ごとの作業量に偏差が大きいことから、コンベア生産ではロスが大きいと判断。セル生産によって、機種ごとの作業量のばらつきを抑えているという。

組み付ける部品は、キット箱にあらかじめセットしてあり、作業者は、自分のセルブースに搬送されてくる冷蔵庫に、キット箱のなかに用意された部品を組み付けていくことになる。2階エリアでは、AGVも活用しており、組み付ける部品を搬送している。

扉取付工程も自動化している。冷凍室や野菜室の引き出し扉は、ロボットで組み付けを行う。引き出し扉の開閉のためのレールをセットし、自動でネジ締めを行ったあと、コンベアを流れる冷蔵庫の姿勢をセンサーによって検知し、引き出し扉の挿入角度を計算。人が引き出しを取り付けるような動作軌道を再現して、ロボットが取り付け作業を行うという。取り付けた後は、段差がないことなども自動で検査するという。

「扉は外観に直結する部分であり、自動化により、外観の段差、アライメント調整などを無くすことができる。何度も実験を繰り返して、自動化を実現した」という。

扉取り付け工程が終わると、内装部品の取り付け工程に入る。冷蔵庫の各機種にあわせた内装部品を事前にピッキングしており、それにあったキット箱を選んで、手作業で部品を取り付ける。

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