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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第7回 バザールでござーる、今日は番外編でござーる

マイナビニュース / 2025年1月1日 12時0分

本社ビルは、NECの創立90周年の中核事業として、NECが創業直後の1900年に取得し、本社として利用していた場所に建設。約600億円をかけ、1986年11月の着工から3年2カ月の工期を経て、1990年1月に竣工。2025年1月で、35周年を迎えることになる。

NECの関本忠弘社長(当時)は、「個人の豊かな発想や創造性、自主性を尊重するとともに、全体との調和を図るホロニック経営をサポートする重要なツールになるのが、NECスーパータワーである。新本社によって、NECは永遠であるというイメージを打ち出すことができた」と位置づけた。

地上43階(高さ180メートル)、地下4階、敷地面積は2万1400平方メートル、延べ床面積14万5100平方メートルのNECスーパータワーの外観はユニークだ。

1~12階の低層階、16階~38階の中層階、40~43階の上層階の3つに分かれ、上部に行くほど細くなる建物の形状を採用しており、13階から15階までの3フロアには、大きな風穴がある。この風穴はウインド・アベニューと呼ばれ、「光や風が通り抜けていく並木道」という意味を持たせている。超高層ビルでは世界で初めて採用されたものだ。

ユニークなビルの形状には意味がある。

3段階のロケット型の形状と風穴は、超高層ビルによって発生するビル風による周辺への影響を徹底的に解決するための工夫であり、風害や日影の影響など、周辺環境への影響を最小限に留めたほか、高層ビル特有の圧迫感をやわらげることにも成功している。

たとえば、、ウインド・アベニューは、高さ15メートル、幅42メートルの風穴であり、ビルに当たった風をすべて取り込み、それをビルに沿って上方に吹き上げることができ、周辺にはビル風が発生しにくくなるのだ。NEC本社の周辺には都営住宅や学校、保育園などがあり、こうした地域の生活環境との調和を最優先した建物となっている。

また、ウインド・アベニューは、地下1階から地上12階までのアトリウムの天窓としても活用され、天面採光の明るいオフィス環境の実現にも貢献している。

NECでは、当時から「環境」をキーワードにした建設計画を進めており、敷地の約65%を緑の公園として開放し、280本の高木を植樹。その取り組みが評価され、東京都環境影響評価条例の適用第1号になっている。

NECスーパータワーの愛称は、社内公募によって決定したものだ。応募数は1万件を超え、新本社に対する社員の期待の高さを裏付けるものとなっている。

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