進化が加速した生成AI、競争過熱で"AI版ムーアの法則"に限界説も、2025年はどうなる?
マイナビニュース / 2024年12月31日 13時46分
すでにLLM OSという言葉も使われ始めているが、LLMがUIやUXを司り、現在PCやモバイルデバイスでOSを介して行っている操作が、すべてLLMを通じて容易に実行可能となる。「台湾に移住したいんだけど、住居と滞在ビザの手配をお願い」といった、現時点ではSFの世界の対話が10年後には日常的なやり取りとなるかもしれない。
どちらに進むのが望ましいか? おそらく、より未来的な[ケース2]が望ましいという声が多いのではないだろうか。
しかし、歴史的にイノベーションは強い意志を持ったリーダーやスタートアップによって推進・実現されてきた。[ケース2]の場合、ユーザー自身が新しい使い方を考え、ユースケースを見つける必要性が生じる。
「A lot of times, people don't know what they want until you show it to them(人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ)」(スティーブ・ジョブズ氏)
例えば、モバイル革命において、AirbnbやUberがスマートフォンを活用したアプリとサービスを構築して成功し、その結果としてシェアリング経済という新しい市場が誕生した。現在のクリエイター経済でも同様の新市場形成が起こっている。こうしたAIを活用するスタートアップによるイノベーションは、[ケース1]の方がより起こりやすい。
○AIエージェントを巡るAppleとOpenAIの同床異夢
2025年のAI業界のキーワードとして、多くの専門家が「AIエージェント」を挙げている。ユーザーの代わりに、またはユーザーと協力して、特定の目的やタスクを達成するために自律的に行動するAIシステムを指す。現在のLLMの能力は、その将来像から見れば序章に過ぎない。これからLLMに依頼できる範囲が拡大していき、5年後に2024年を振り返った時、「あの頃は質問にしか対応できなかったよね」と苦笑することになりそうだ。
AIエージェント実現のアプローチとして、AppleはiPhoneやMacなど同社の強固なハードウェア基盤を活かし、iOSやmacOSに生成AIを統合するという[ケース1]の利点を活かす戦略を採っている。一方、OpenAIのアプローチは、かつてWEB 2.0時代にGoogleがクラウドサービスによって覇権を確立したのを彷彿させる。[ケース2]による革新を目指しているように見える。
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