大河原克行のNewsInsight 第345回 パナソニックの業務用冷蔵庫と空質空調事業、片山社長が進める改革の現在
マイナビニュース / 2024年12月31日 23時5分
コールドチェーンソリューションズ社の次期中期計画の骨子についても説明した。
ROICは10%水準を維持し、販売および利益を拡大。重点戦略の実行により収益力を高め、2030年よりも前に、2桁の利益率の実現を目指す。
重点戦略として、強みとなる小型ノンフロン(CO2)冷凍機をグローバルに展開する「差別化戦略」、機器データの有効活用でサービスによる付加価値を高める「ネットワーク戦略」、機器とサービスの連携強化で顧客エンゲージメントを向上させる「補完財戦略」を掲げ、「自然冷媒、デジタル、機器とサービスの一体化がドライバーになる。差別化戦略、ネットワーク戦略、補完財戦略によるハイブリッド戦略で高収益化を目指す」と述べた。
冷凍機では、現在、13%の世界シェアを持っており、これを2030年には20%に拡大することを目指すという。「米州において、自然冷媒の需要が高まること、ハスマンが自然冷媒戦略を推進することでシェアを高めていく。日本で実績を持つ小型ノンフロン(CO2)冷凍機のグローバル展開を加速し、欧州では、ポーランドの冷凍機メーカーのArea Cooling Solutionsを買収し、環境配慮型製品の需要拡大に向けた現地対応を図る」とした。
デジタル化では、故障検知の自動化と、フィールドエンジニアの派遣指示の自動化により、現場対応を迅速にし、店舗のダウンタイムの最小化を実現。ウェブを通じたパーツ販売事業の拡大や、電子棚札事業の推進による店舗内の生産性の向上などを行う。
機器およびサービスの一体化では、ショーケースと冷凍機、サービスを連携したソリューション提案を推進し、強固なビジネスモデルを構築するという。
「日本において、ショーケースと冷凍機の両方を、トップクラスで事業展開しているのはパナソニックだけである。また、米州ではサービスの強みが発揮できているのはパナソニックだけだ。ショーケース、冷凍機、サービスの3つの事業を持つ強みを生かす」としている。
片山社長は、「コールドチェーンソリューションズ社は、CR業界で、グローバルNo.1企業になっているが、網羅性や価値の創造、収益性では改善の余地がある。すべての視点でNo.1といわれる会社になり、食に関わるすべてのお客様の事業経営に貢献したい」と語った。
(大河原克行)
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