1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

PCテクノロジートレンド 2025 - CPU編「Intel」と「AMD」

マイナビニュース / 2025年1月3日 10時0分

そんな訳で全体的にはあまり大きな動きはなさそうなのが2025年のConsumer向けCPUである。競合であるIntelも2026年まではArrow Lake/Arrow Lake Refreshで凌ぐ事になるので、現状のZen 5ベースなら競争力があるし、N3Eの逼迫具合を見れば今年1年はあまり動きようがない、というのが正直なところかもしれない。

Server向けのEPYCに関しても、あまり大きな動きは無いだろう。可能性としては、低コスト向けのEPYC 4004シリーズの後継としてEPYC 4005シリーズが投入されても不思議ではないし、また通信業界向けのSienaことEPYC 8004シリーズの後継としてEPYC 8005シリーズが投入されるかもしれない。また3D V-Cache搭載EPYCのSKUは後追いで追加されることになるだろう。

可能性としてもう一つあり得るのは、EPYC 9V64Hの系列を標準製品化することだ。これは何か? というと、2024年11月19日から開催されたMicrosoft Igniteで公開された、現状はMicrosoft向けの専用チップである。実は以前からInstinct MI300X/MI300Aとは別に、MI300Cという名前が湧いていた。Instinct MI300シリーズの場合

MI300X: GCD×8+IOD×4+HBM3E×8
MI300A: GCD×6+CCD+4×IOD×4+8 HBM3E×8

な訳だが、MI300Cは

MI300A:CCD×12+IOD×4+HBM3E×8

という構成になる。

ちょっと判りにくいので、図1に示してみた。元々Instinct MI300シリーズは

GCD×2+IOD+HBM3E×2(GPU Block)
CCD×3+IOD+HBM3E×2(CPU Block)

という2種類のコンポーネントがあり、これを4つ組み合わせる形である。だから可能性としては

GPU Block×4
GPU Block×3+CPU Block×1
GPU Block×2+CPU Block×2
GPU Block×1+CPU Block×3
CPU Block×4

の5種類があるわけだが、全部並べてもニーズがあるとは限らない。現状ではAI向けにはGPU Block×4をInstinct MI300Xとして、GPUを使うHPC向けにGPU Block×3+CPU Block×1をInstinct MI300Aとしてそれぞれ提供している訳だが、特にHPCの分野ではGPUに適さず、かつメモリ帯域が重要といったアプリケーションが少なくない。こうした用途向けに、従来のEPYCでも3D V-Cacheを搭載し、更にコア数を減らすことで、コアあたりで利用できるキャッシュ容量と帯域を増やしたモデル(例えばEPYC 9384X)があるが、Instinct MI300CはCPU Block×4とすることで、HBM3Eメモリを内蔵する高速なEPYCが簡単に構成可能である。MicrosoftはこのInstinct MI300Cを同社のAzure HBv5インスタンスに利用する事をIgniteで発表した訳だが、このAzure HBv5に関する説明によれば、Instinct MI300Cを4つで一つのノードを構成しており、ノードあたりのメモリ帯域は7TB、コア数352(SMTは無効化)、メモリ容量400GBが利用できるとしている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください