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『鎌倉殿の13人』『どうする家康』『光る君へ』 大河ドラマ直近3作の画面注視データを分析

マイナビニュース / 2025年1月4日 6時0分

徳川家康は狡猾で老練な戦国大名というパブリックイメージであり、その人生は長く過酷な忍耐を強いられてきた。現代の男性若年層から共感を得られる人物像とはかけ離れている。実際にこれまでに大河ドラマで家康を演じてきた俳優も、『功名が辻』の西田敏行さんや、『江~姫たちの戦国』の北大路欣也など芸能界でも大御所といわれる名優だった。

しかし、『どうする家康』では家康役にアイドル出身の嵐・松本潤をキャスティングし、従来の家康のパブリックイメージとは真逆の、「ツライことから逃げ、自分のしたいことだけしたい」という、現代の若者が共感しやすいキャラクター設定としたことが男性若年層の支持を得られた要因といえるのではないだろうか。

また、女性若年層の注目度も45.9%と高く、『光る君へ』の藤原のF4に近い立ち位置である、徳川四天王(本多忠勝役に山田裕貴、榊原康政役に杉野遥亮、井伊直政役に板垣李光人)をイケメン若手俳優で固めた効果が表れている(※酒井忠次役の大森南朋だけ少し属性が違うが)。

そして、『どうする家康』では、21世紀に入ってからの大河ドラマで主演を務めた俳優が3人出演していることも大きな特徴だ。2002年『利家とまつ~加賀百万石物語~』まつ役・松嶋菜々子(※前田利家役・唐沢寿明とダブル主演)、2012年『平清盛』平清盛役・松山ケンイチ、2014年『軍師官兵衛』黒田官兵衛役・岡田准一をそれぞれ重要な役で起用し、男性40~59歳の支持も集めることに成功している。

その他にも、武田信玄役を阿部寛、服部半蔵役を山田孝之、お市と茶々役の一人二役を北川景子と、主役級の俳優を多数そろえた豪華なキャスティングが、『どうする家康』の大きな魅力といえそうだ。

○『鎌倉殿の13人』ユーモアあふれる脚本で様々な視聴層を魅了

最後に、2022年の『鎌倉殿の13人』だが、平均世帯視聴率は過去3年の作品の中でダントツの9.3%(REVISIO調べ)という数字を誇っている。また、個人全体の注目度は71.2%と最も高く、様々な層の視聴者を「くぎづけ」にしてきたことが分かる。

『鎌倉殿の13人』がこれほど支持された要因はやはり、歴史ドラマでありながらユーモアあふれる三谷幸喜氏の脚本にあったのではないだろうか。

三谷氏の前作である2016年『真田丸』も、大河ドラマ史に残る傑作だったため、三谷氏の脚本というだけで視聴を決めていたファンが大勢いたことは想像に難くない。鎌倉時代初期というのは相当に血なまぐさい権力闘争が日常的に繰り広げられる時代だが、全編を通してコミカルな味付けがされており、大河ドラマを欠かさず視聴する視聴者層を魅了しつつ、普段は時代劇を観ない視聴者層も楽しめるストーリー展開と演出は、三谷氏にしかできない秀逸なものだった。Twitter(現・X)では25話連続でトレンド世界1位に輝いており、SNSの普及も追い風となっていた。

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