岡安学の「eスポーツ観戦記」 第160回 タイトルを刷新して独自色が出た「全日本高校eスポーツ選手権」、全日/通信のブロック分け効果は?
マイナビニュース / 2025年1月9日 10時49分
2マップ目は「Queimar」が選択したアビス。「Haven Liberty」が攻撃側を選びます。序盤、5-1の大差をつけた「Haven Liberty」ですが、そこから「Queimar」が7-5まで追い上げ、攻守が交代します。
攻撃側に移った「Queimar」は早々に追いつくと、そこから一気に引き離し、13-8で勝利しました。これで1勝1敗となり、最後のマップで決着がつきます。
最後のマップはお互いがBANしなかったことから、どちらのチームも得意不得意のないマップといえます。最後のマップはヘイブンが選ばれました。ヘイブンはスパイク(爆弾)を設置する場所が3カ所あるため、守りが分散されたり、移動に時間がかかったりするので守りにくいマップ、攻めやすいマップと言えます。
そのうえで攻守選択権のある「Haven Liberty」は守備を選択。守備側が不利なマップながら撃ち合いに勝利し、勝利数を重ねていきます。折り返し時には10-2の大差がつき、最終的には13-5で優勝を決めました。これで「Haven Liberty」は2連覇を達成しました。
「全高e」は、「全国高校eスポーツ選手権」を踏襲した形で第1回大会を行ったこともあり、新しいスタートを切ったのは実質今回からとも言えるでしょう。「全高e」ならではの色が出せてきたのではないでしょうか。
『スト6』と『APEX』が新たにタイトルとして加わり、全日制と通信制の枠を設けたのは独自路線のうえ、魅力的な大会になる要素だったと思います。『スト6』は『LoL』や『VALORANT』と違い、基本無料のタイトルではないので、新たに部活として導入するにはコストがかかってしまいますが、出場校応援企画として学校または顧問が管理するSteamアカウントなどに最大3アカウントまでゲームコードを進呈し、エントリーしやすくしています。
これは「全日本高校eスポーツ選手権」が始まったばかりのころに、サードウェーブがゲーミングPCを3年間の無償で貸し出した「eスポーツ部発足支援プログラム」を彷彿させます。
まあ、無粋なことを言うと、学校以外で練習したい生徒は家でプレイできるように『スト6』を購入すると思うので、配布した以上に購入者が増える良いサービスだったと思います。それでも学校、生徒、メーカー、大会運営がすべてプラスに働く四方良しであることは確かなので、良いことであるのは間違いありません。
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