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国立天文台など、超新星が30年前から質量放出を活発化させていたと確認

マイナビニュース / 2025年1月10日 15時51分

画像提供:マイナビニュース

国立天文台、京都大学(京大)、茨城大学の3者は1月9日、山形県の市民天文家の板垣公一氏が2023年5月19日(世界時間)におおぐま座の方向約2200万光年と比較的近傍にある銀河「M101」にて発見した超新星「SN 2023ixf」のVLBI(超長基線電波干渉法)観測網による電波観測の結果と理論モデルの比較から、親星が爆発する数十年前から質量放出を活発化させていたことを解き明かしたと発表した。

同成果は、国立天文台 科学研究部の岩田悠平特任研究員(現・国立天文台 水沢VLBI観測所特任助教)、同・冨永望教授、同・守屋尭助教、京大 理学研究科の前田啓一教授、茨城大 基礎自然科学野/理学部の米倉覚則教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。

超新星とは、大質量星が進化の最終段階で起こす大爆発により突如明るく輝く天体だ。超新星は可視光での観測が一般的だが、時折電波放射を伴うものも観測される。爆発前の大質量星である親星が周囲にガスを放出し形成された星周物質と、爆発により飛び散った親星の残骸が、衝突することによって電波放射を生じると考えられている。つまり、超新星の電波の明るさの変化を時間と共に観測することで、星周物質の濃淡がわかり、親星がどのように質量を失い爆発に至ったのかという大質量星の進化の歴史をたどることができるという。

おおぐま座の方向に地球から約2200万光年の距離に位置する銀河M101において発見された超新星のSN2023ixfは、いくつかある超新星の種類の中ではII型と呼ばれるものだこのような超新星は10年に1度程度しか発見されない貴重な天体であるため、国内外の多くの研究チームがVLBIを用いた電波による追観測を実施したとする。

VLBIとは、複数の電波望遠鏡の観測データを合成して1つの観測データとして扱う手法だ。今回の観測では、まず国立天文台が岩手県奥州市、鹿児島県薩摩川内市、東京都小笠原村、沖縄県石垣市の4か所で運用する20メートルの電波望遠鏡による「VERA」(VERAは、銀河系の3次元立体地図を作るプロジェクトである)、茨城大の「日立32m電波望遠鏡」と、山口大学の「山口34m電波望遠鏡」が参加した日本VLBI観測網(JVN)、そして韓国VLBI観測網(KVN)が参加し、SN2023ixfの電波観測が実施された。

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