国立天文台など、超新星が30年前から質量放出を活発化させていたと確認
マイナビニュース / 2025年1月10日 15時51分
そしてJVNの観測結果から、爆発の152日後、206日後、270日後の観測で電波放射が検出され、その明るさの測定に成功したという。なおVERAやKVNでは検出できなかったが、電波強度の上限値を求めることができたとのこと。この観測結果を理論モデルに当てはめると、爆発の約30年前から直前にかけて、親星が徐々に激しくガスを放出したことが示唆されたとする。
研究チームは今後、VLBI観測により電波放射源が次第に大きくなっていく様子をとらえ、爆発による膨張運動の測定が期待されるという。また、さまざまな超新星について同様の電波観測を行うことで、親星の質量放出の多様性の解明につながるとしている。
今回の観測で使用したVLBIは、東アジアVLBI観測網や、史上初のブラックホールシャドウを撮影したEvent Horizon Telescopeなどの国際的なVLBIと比較すると小規模だが、大規模VLBIでは不向きな迅速かつ高頻度での観測の実施や、各VLBIに特有の観測モードを活用することにより、今回の研究成果へとつながったとする。次世代の超大型電波望遠鏡「Square Kilometre Array」(SKA)では、広視野・高感度の観測により、電波でも超新星のような突発天体を多数発見できることが予想されている。今回の研究成果は、小規模なVLBIがSKA時代における突発天体の時間軸天文学の研究にも有用であることが示されたとしている。
(波留久泉)
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