トランプ大統領が掲げた「火星に宇宙飛行士を」 - 鍵を握るイーロン・マスクの野望
マイナビニュース / 2025年1月30日 19時41分
●発言の背景にあるものと、「月は邪魔」と見なすマスク氏
第47代米国大統領に就任したドナルド・トランプ氏は、2025年1月20日(日本時間21日)に行われた就任演説で、「米国の宇宙飛行士を火星へ送り込み、星条旗を立てる」と宣言した。
式典に招待されていた、宇宙企業スペースXを率い、そしてトランプ大統領の最側近となったイーロン・マスク氏は歓喜の声を上げた。
もちろん、トランプ大統領の任期中に実現する可能性は低い。しかし、この発言を軽視すべきではない。たとえ実現しなくても、米国の宇宙開発に大きな変化が起こるす可能性があり、それは日本にも大きな影響を与えるからである。
発言の背景にあるもの
トランプ大統領の就任演説における有人火星飛行のくだりは、演説の後半、次のような文脈で出てくる。
“The United States will once again consider itself a growing nation - one that increases our wealth, expands our territory, builds our cities, raises our expectations, and carries our flag into new and beautiful horizons.
And we will pursue our manifest destiny into the stars, launching American astronauts to plant the Stars and Stripes on the planet Mars.”
(米国はふたたび成長する国家となるでしょう。富を増やし、領土を拡大し、都市を建設し、期待を高め、国旗を新たな美しい地平線へと運ぶ国家です。そして、私たちは星々への明白な運命(Manifest Destiny)を追求し、アメリカ人宇宙飛行士を火星へ送り、星条旗を掲げます。)
米国大統領が火星に人類を送り込むと公に発言するのは、これが初めてではない。1988年のレーガン大統領、1989年のジョージ・H・W・ブッシュ大統領、2004年のジョージ・W・ブッシュ大統領、そして2010年のオバマ大統領と、有人火星探査に言及した例は枚挙にいとまがない。
そして2017年には、1期目のトランプ大統領が「アルテミス」計画を策定し、月と火星を目指すことを定め、バイデン大統領もそれを踏襲した。
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