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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第13回 スパコン世界一になった地球シミュレータと、未来へ駆ける量子コンピュータ

マイナビニュース / 2025年2月11日 12時0分

地球シミュレータの経験が、NEC独自といえる数々の技術の進化につながっているのは間違いない。
時代は「量子コンピュータ」へ、独自の道を切り拓くNECの現在

一方、NECは、1999年に、量子コンピュータの基礎である「個体素子量子ビット」を世界で初めて実証した企業でもある。

これは、量子コンピュータの実用性に道を開く画期的な取り組みであり、NECは、「量子コンピューティングの元祖」といってもいいだろう。

2003年には、2ビット論理演算ゲートの動作に世界で初めて成功し、2007年にはビット間結合を制御可能な量子ビットの実証にも成功。量子アルゴリズムに従った量子演算を可能にしている。

さらに、2014年には、超伝導パラメトロン回路を用いて、量子ビットの高精度、高速、非破壊な単一試行読み出しに成功し、世界で初めて、高感度読み出し可能なパラメトロンと量子ビットの融合を実現したのだ。

NECでは、この超伝導パラメトロン素子による超伝導回路を用いた国産8量子ビット量子アニーリングマシンを2023年6月に開発。インターネットを介して外部利用可能な国産量子アニーリングマシンは日本初となった。

その一方で、スーパーコンピュータを活用して、組み合わせ最適化問題を解くことができるシミュレーテッドアニーリングマシン(疑似量子アニーリング)も開発。NEC独自の疑似量子アニーリングプラットフォームを通じたNEC Vector Annealingサービスも展開している。

NEC Vector Annealingサービスは、ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を活用。許容解の存在範囲を高速検索するシミュレーテッドアニーリングエンジンを組み合わせて、大規模処理と高速処理を可能にする疑似量子アニーリングプラットフォームとして提供している。

さらに、「SX-Aurora TSUBASA」に搭載する複数のVEを高速に接続することで、30万ビットに規模を拡大。たとえば、約500都市を対象にした巡回セールスマン問題といった従来は解くことが難しかった課題を、高速に解くことができるようになったという。これらのサービスは、クラウド型とオンプレミス型で提供。シミュレーテッドアニーリングマシンの特徴を活かして、人員スケジューリングの最適化のほか、配車スケジュール、配送ルート、荷積み、生産計画、金融ポートフォリオの最適化などに応用されている。

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