東京都庭園美術館「建物公開2022 アール・デコの貴重書」
NeoL / 2022年3月7日 15時0分
東京都庭園美術館では、2022年4月23日(土)~6月12日(日)の会期で「建物公開2022 アール・デコの貴重書」展を開催。本展は、年に一度の建物公開展。本館と新館にアール・デコ期の書籍や雑誌等を配して装飾性豊かなアール・デコの世界を紹介するとともに、建物自体を純粋に堪能できるよう企画されている。
本を開くと静かに奏でる、装飾性豊かなアール・デコの美―――
1933年に竣工した旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)の建築としての魅力を存分に堪能できるよう、年に一度、これまで毎回テーマを設けて様々な角度から建物公開展に取り組まれてきた。今回は、1920-30年代のアール・デコ期の貴重書に着目。
1920年代の滞欧中、朝香宮夫妻は当時全盛期だったアール・デコの様式美に魅せられ、帰国。そしてこの白金の地に自邸を建設するに当たり、主要な部屋の内装設計をフランスの室内装飾家アンリ・ラパンに依頼し、ルネ・ラリックをはじめとしたデザイナーが参加するなど、フランス直輸入のアール・デコ様式を取り入れた邸宅が誕生した。現在は美術館として活用されているが、内部の改造を僅かにとどめ、竣工時の様態を色濃く今に伝える。
そうした背景から、当館ではフランスの装飾美術に関する書籍や雑誌、1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料等を所蔵。本展では、当館が所蔵するアール・デコ期の貴重書を中心に、本館と新館それぞれに展示。華やかなショーウインドウの写真集、博覧会やインテリアの特集雑誌、色鮮やかに表現された絵本など、当時の貴重書を通して装飾性豊かなアール・デコの世界へと誘う。
また、本館では窓のカーテンを開け放ち自然の光を感じる空間で、家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示を楽しめる。宮邸時代の雰囲気に想いを馳せながら、ぜひ建築や室内意匠にも注目を。
本展のおすすめ
■魅惑のアール・デコを切り取る1ページ
本展では、当館の所蔵品を中心に1920-30年代の貴重書を約100点紹介。多くは調査研究の目的で利用され、展示での紹介が部分的なものに留まっていた書籍・雑誌・文献資料などの貴重資料に焦点を当てる。本館では貴重書を各室に配してアール・デコ建築とのコラボレーションを、新館の展示室では作品解説と共に一挙に展示し、華やかで魅惑的な当時のアール・デコの世界観を鑑賞できる。
『20世紀近代装飾芸術百科事典』1927年、東京都庭園美術館蔵
『近代装飾芸術年鑑』1924年、東京都庭園美術館蔵
■窓辺から望む庭園の緑が美しい季節
普段は作品保護のために閉じられている窓のカーテンを開け放つと、室内はやわらかな自然光に包まれる。ゆったりと時間が流れる中、1日を通して様々な表情を見せてくれるのも建物公開展の楽しみの一つ。
また、緑に囲まれた建物は季節によって異なる魅力がある。会期中の4月~6月は、気候に恵まれ新緑が心地よい時期に当たり、絶好のシーズン。
東京都庭園美術館本館 ベランダ
■建物自体を純粋に楽しむ貴重な機会
建物公開展恒例となる情景再現は見どころの一つ。本展では、大食堂のテーブルデコレーションなど、各室に合わせた再現展示を行う。旧朝香宮邸の建物自体が主役となる建物公開展では、壁や床や天井、建具や照明など、通常の展覧会ではあまり注目されない部分にフォーカスし、純粋に邸宅の雰囲気を味わうことができる。
東京都庭園美術館本館 大客室壁画
展覧会名:建物公開2022 アール・デコの貴重書
Looking at Architecture 2022 Encounters with Art Deco Books
会期:2022年4月23日(土)~2022年6月12日(日)
会館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
会場:東京都庭園美術館 本館+新館
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,000円/大学生(専修・各種専門学校含む) 800円/中・高校生 500円/65歳以上 500円
※本展は日時指定の予約制です
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館
年間協賛:戸田建設株式会社、ブルームバーグL.P.、ヴァン クリーフ&アーペル
展覧会ウェブサイト:https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/220423-0612_EncountersWithArtDecoBooks.html
問い合わせ先:050-5541-8600
写真撮影をお楽しみいただけます
本展の会期中、本館内での写真撮影が可能です。
撮影の際は以下の諸注意を必ずご確認いただき、館内スタッフの指示に従ってください。
[撮影にあたっての諸注意]
1.まわりのお客さまの鑑賞の妨げとなるような行為はご遠慮ください。
2.フラッシュ・レフ板・三脚・自撮り棒・望遠レンズのご使用はご遠慮ください。
3.安全確保のため、撮影をお断りするお声がけする場合がございます。
4.動画の撮影はご遠慮ください。
5.撮影機器の落下や展示品に触れる恐れがあるため、展示品の真上からの撮影や身を乗り出しての撮影はご遠慮ください。
6.SNS等の写真の公開について、写り込んだ他のお客さまの肖像権に触れることがあります。当館では責任を負いかねますのでご注意ください。
7.その他、作品や建物に危険が及ぶ行為は禁止です。
8.撮影は非営利目的の個人利用に限ります。商業撮影は、事前の申請が必要です。
関連プログラムは随時追加される予定です。最新情報につきましては東京都庭園美術館ウェブサイトをご確認ください。
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
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