ビットコイン in 中国 - ふるまい よしこ 中国 風見鶏便り
ニューズウィーク日本版 / 2013年12月23日 23時3分
最近、ビットコインをめぐる動きが興味深い。とはいえ、中国ではつい先日、中央銀行がビットコインの中国国内での流通にストップをかける通達を行なった。今年になって中国で特に加熱しているというビットコイン取引だから、ある意味それも予想のうちの動きであり、市場の暴落に一瞬ネット上ではショックが走ったものの、IT関係者の間では相変わらずビットコインをめぐる話題がそれほど悲観論もなく続いている。
ビットコインとは英語で「Bitcoin」、この「bit」とはコンピュータが取り扱う情報に使われる単位だ。ビットコインはコンピュータの世界、つまりバーチャルな世界で流通する通貨のことである。今や世界中にあるその「取引所」を通じてビットコインを購入しさえすれば、その後日本国内どころか海外で買い物する時にそれを使えば手数料もレートも心配する必要がなくなる。調べてみたら、それを実践した記者の体験記が日経新聞のウェブサイトに出ていた。
わたしがビットコインの存在を知ったのは、3年ほど前。ツイッター上の中国人ユーザーたちが騒いでいたのが目に入ったからだった。
中国では周知の通り、ツイッターへのアクセスは中国当局にブロックされ、日本のように簡単にアクセスすることができず、ユーザーは「壁越え」と呼ばれるさまざまなアクセスブロックを回避する手段を利用してツイッターを使っている。当時はまだそれほど「壁越え」が普及していなかったので、ツイッターを利用する中国人にはそうした技術に詳しいIT関係者の割合が格段に高かった。その彼らがビットコインが全世界の共通通貨として現れたことに沸き返っていたのだ。
彼らの話をたどっているうちに、ビットコインを最初に提唱したのが「ナカモト・サトシ」という日本名を持つ人物だということを知った。ただ、いつまで経ってもその革命的な「ナカモト・サトシ」が日本社会では話題にならず、また「ナカモト・サトシ」の論文はネイティブに近い英語で書かれドイツの雑誌で発表されていたことから、すでに「ナカモト・サトシ」自体は実在の日本人ではない、と見られていた。最近になって、その「ナカモト」は以前からビットコインに通じるアイディアを提唱していたアメリカ人学者ではないかという報道も出現した。
バーチャルな世界に疑念を抱く人にとっては、きっとこんな話もビットコインを胡散臭いと感じる理由だろう。だが、逆にバーチャルな世界の可能性を信じる人たちにとってはこういう匿名性からなる存在感こそ、未来を期待するにふさわしい要因でもある。
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