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東莞、東莞 - ふるまい よしこ 中国 風見鶏便り

ニューズウィーク日本版 / 2014年2月13日 7時0分

 次に2008年以降、リーマンショックを受けて海外輸出が不振になると、東莞の工業も大きな影響を受ける。この時期、多くの輸出目的の工場が倒産、あるいは撤退し、多くの出稼ぎ者が町に投げ出された。そんな行き場を失った女性工員たちの中からも風俗産業に乗り換えた人もいた。工業界の不況がすでに巨大化して外部に名をはせ始めていた風俗産業の規模をさらに大きくしたのだという。

 中央電視台の報道が大騒ぎになってから、東莞の風俗業界は東莞のGDPの14%を占めているという報道もあった。風俗産業は年間500億元(約8500億円)の経済効果を生んでいるという。もちろん、政府はそこから税金を徴収しているわけではないが、そこには実際に産業に従事する人たちのほか、ホテルやタクシー、宝飾店、化粧品店などさまざまな業界が風俗産業に依頼している。それが、この報道をきっかけに、広東省の胡春華党委員会書記が「徹底的な取り締まり」を言明したことにより、激しい打撃を受けるだろうと報道されている。

 2月9日といえば、ちょうど長めの春節休暇を取った人たちが再び仕事先に戻っていく週末にあたっていた。だが、この報道のお陰で東莞行きの切符払い戻しを求める女性たちが列をなしている、という。ならばその女性たちは今後どこでどんな仕事を始めるのか、それについての後続報道はまだ見られない。

「東莞はこの騒ぎが落ち着けば、『クリーン』な街になるのだろうか、だがそれはどんな街なのだろう? それともまた人々がそぞろ戻ってきて以前の東莞に戻るのだろうか?」

 だが、東莞の今後がどうなろうとも、この瞬間も各地では性風俗産業の営業は続いているわけだ。そして、身をひさぐことでしか暮らしていけない女性たちの問題は解決しないまま続くのである。




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