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グレーゾーンvsグレーゾーン:それがこの国? - ふるまい よしこ 中国 風見鶏便り

ニューズウィーク日本版 / 2014年4月2日 6時24分

 というのも、彼らは政府や公的機関がこれまで、「危険」を表向きの理由にして民間で人気のサービスを次々に潰してきたことを知っているからだ。近いところでは微博。昨年、「デマの蔓延防止」を理由に厳しい発言管理ルールを敷いた結果、多くのユーザーたちが微博から離れ、テンセントが提供する携帯チャットアプリ「微信」へと逃げ込んだ。

 今、インターネットと切っても切れない生活をする人々は、長蛇の列に並ばずに簡便なサービスを提供し続けるアリババ、そしてネットを使って現実には楽しめないゲームや語らいの場を提供してきたテンセントに、絶大な信頼を置いているのである。その信頼はある種、彼らとともに成長してきた「仲間」としてのそれであり、権力を背景にした強制力や管理を使ってライバルを叩きつぶし、弱者を蹴飛ばして大きくなった上に権威を笠に着る国有銀行や管理当局を大きく上回っている。

 中国はもともとグレーゾーンの多い国だ。そこでグレーゾーンを利用して次々とユーザーを喜ばせてきたアリババやテンセント。中国のグレーゾーンはちょっとやそっとでは埋まらない。だが、そのグレーゾーンの不安を煽られても、彼らのイノベーションを支えるのは絶大な信頼なのだ。今のところ、余額宝やアリペイ、「微信支付」に対する失望の声は伝わってこない。人々はアリババやテンセントがどんなふうに権威の壁に立ち向かっていくのかをじっと見守っているかのようだ。




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