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「独立から起業へ」飛躍するために必要なこと

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月29日 11時11分

 私自身、いつまでも知らないことはいっぱいあるけれど、いまは大体のことはネットで調べられます。調べられないことも、今後なんらかの形で与えられるようになる。そのときに、だれよりも早く欲しい情報をピックアップできて、それをアイデアに変えて、形にしていけるような人、そういう人がこれから新しいビジネスをやっていくには向いているんじゃないかと思います。

長沼 実は、いまの小学生が大学を出て卒業するときには、65%の子どもがいまは存在していない職業に就く、という話があるんです(注:米マッカーサー財団のキャシー・デビッドソン教授がニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに答えた発言――「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時にいまは存在していない職業に就くだろう」)。

 よく大学生と話をしていて思うのは、自分で物語をつくっていく時代になっている、ということです。これまでは、人生のストーリーっていうのは、就職した時点で与えられるものだった。それが、いまはストーリー自体も多様化しているし、自分で選んでつくっていかなくてはいけない。

 だから、若いうちから自分自身のストーリーをしっかりと見つめておかなくてはいけない、そう思います。

加谷 そういう意味で、自分の子どものころの経験で、いまになって大きな影響があったと思うものはありますか?

森 僕が小学生のときなんですが、家に帰ったら親がめちゃくちゃ泣いていて、どうしたのって聞いたら、9.11のテロがあったんです。テレビでは飛行機がビルに突っ込んでいる映像がずっと流れていて、僕にとっても衝撃的で、それが強烈に残っています。

 そのときに思ったのは、形ある物ってなくなってしまうんだな、ということでした。最近も大企業が次々に危なくなっていますけど、安心っていう保証はないんだなとわかったんです。

 だったら、人生は一度きりだし、自分のやりたいことをやったほうがいい。そのためのスタートを切るのは、いつだって遅くないって思います。

中澤 私の父は教師なんですけど、今年で定年退職なんです。6歳で小学校に入ってから、ずっと学校のことしか知らない。外の世界を知らないんです、きっと。で、60歳になってなにをやるのかと思ったら、私のカフェに立ちたいって言っているんです。面白そうだからって。

 父の友人には、60歳から起業しようとしている人もいるらしくて、そういうのを見ていると、私は何歳まで働くんだろう?って思ってしまいますが、どういうふうに働くにしろ、どう生きていくにしろ、自分で区切る必要はないと思うんです。

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