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「独立から起業へ」飛躍するために必要なこと

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月29日 11時11分

 私たちひとりひとりがこれからやっていくことが、今後の社会を変えていく可能性を秘めている。社会は人がつくるものだから、人の動きが社会を変えていくんです。だから、60のおじさんがいきなりカフェを始めたら、なにかが変わるかもしれない(笑)。

 実際、社会はどんどん変わっているから、自分がこれからどういう働き方をして、なにを楽しいと思ってライフワークにしていくのかを、これまでの枠の中で語らなくていいと思っています。実際、みんなもすでにそっちを向いているんだなっていうことを、60歳の父を見て学びました。

長沼 僕たちの世代って、生きているうちはずっと働く時代だと思うんです。だから、むしろ人生の本番は60歳以降で、そこで人生を判断されるようになると思います。それが21世紀の特徴です。

 そうであれば、ある種ギャンブル的に、どんどん小さなビジネスを立ち上げていくことも否定はしないんですが、次の世代から見たときに、「この人たちのような生き方をしたい」って思われるかどうかが大事になっている気がします。

 その意味で、おふたり自身の生き方と、おふたりの会社は、次世代のロールモデルになっていくんじゃないかと期待しています。

◇ ◇ ◇

座談会を終えて

 日本はいつの時代においても起業するのが難しいと言われてきたが、それでも毎年、一定数の起業家は生まれてくる。現状に対する問題意識や、好きな仕事を極めたいという情熱が起業の動機になっているのも世代を超えた共通項である。その意味で「今の時代は」といってあえて話を区切る必要はないのかもしれない。

 ただ、あえて「今」という時代を考えてみた時、過去との最大の違いになっているのは、多くのビジネス・インフラがすでに揃っており、ネットを使ってこれらにアクセスすることが容易になっているという現実だろう。

 UPQの中澤さんは、個人でモノづくりができる環境が整ってきたことを起業のきっかけのひとつとしているし、ライフスタイルデザインの森さんは、どんな業界であっても、働くことを通じて見えてきた課題はすべて起業のテーマになるとの見解だ。ソーシャル・デザイン代表理事の長沼さんは、自分でストーリーをつくれる時代だと評している。

 多くの仕事がネット上で完結するようになると、短期的には仕事がなくなったり、価格破壊が起こるといった弊害が出てくるかもしれない。だが、同じビジネスをより少ないリソースで実現できるということは、余ったリソースを新しい価値の創造に活用できる社会ということでもある。そういった変化の影響や新しい時代の生き抜き方については、『これからのお金持ちの教科書』で詳述したつもりだ。

 近い将来、まったく新しい消費経済のメカニズムが出来上がり、経済政策に対する考え方すら変わっているかもしれない。そんな期待を持った座談会であった。
(加谷珪一)


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『これからのお金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス


ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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