能力が低いから昇進できない、という人はめったにいない
ニューズウィーク日本版 / 2016年5月10日 17時22分
効果的なコミュニケーション
アメリカのビジネス界では今までなかったことだが、職場では今、多世代の従業員が同時に働いている。それを認識することはきわめて重要だ。同じ職場でそれぞれ特徴のある4世代¬――伝統主義者(1945年以前生まれ)、ベビーブーマー(1946~1964年生まれ)、ジェネレーションX(1965~1980年生まれ)、ミレニアル(1981~2000年生まれ)が一緒になって生産的に働いているのだ。各世代には独自のコミュニケーションスタイルがある。そのスタイルを理解することが、同僚との効果的なコミュニケーションをとるための重要で有用な手段になるだろう。
【参考記事】「団塊、団塊ジュニア、ゆとり」 3世代それぞれの人生の軌跡
ミレニアル世代を考えてみよう。メールのやりとりでコミュニケーションをとるのが得意な世代だ。彼らにとってメールやSMS(ショートメッセージ)は直接会うことと同じ重要性を持っている。ところが、一般的なベビーブーマーはそうではない。彼らにとっては直接会うことのほうが重みがあり、メールやSMSよりもはるかに重要だ。
ここで重要な指摘をしておきたい。書くときも話すときも正しい文法を使おうということだ。今さら言うまでもないことだが、(笑)のような記号や顔文字、略語、その他インターネットやスマホのスラングが氾濫している今だからこそ、言っておくべきだと思う。ビジネスのミーティングやプレゼンテーション、メモやメールで、友人宛のメッセージのように文法を無視したり、話し言葉や誤字、略語を使えば、社会人失格と思われてもしかたがないのだ。間違いなく、相手の聞く気や読む気をそいでしまうだろう。こうした悪い習慣は案外目立ち、相手はメッセージの真意よりも、あなたの犯したミスのほうに気を取られてしまうはずだ。
コミュニケーションの上手な人は、伝えたい内容だけを考えるのではなく、受け手とその人の好みまで考えるものだ。あなたの上司がベビーブーマーなら、重要なメッセージはメールよりも直に会って伝えるほうがはるかに効果的だ。上司が隣のオフィスにいるなら、メールを送ってはいけない! 席を立ち、ドアをノックして顔を見せ、会話をしよう。もちろん、上司がメールのほうを好むなら、メールをすればいい。
また誰でもスマホをチェックせずにはいられない時代ではあるが、仕事の打ち合わせ中にメールなどをチェックするのは失礼だ。若いビジネスパーソンはよくこれをやっている。採用面接中に電話に出た応募者までいたのだ! 言うまでもなく、その応募者は不採用となった。
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