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NY著名フレンチシェフが休業、日本に和食を学びに来る!

ニューズウィーク日本版 / 2016年6月17日 16時12分

 色々試したいという人たちを変えるのは難しいと分かったので、カジュアルなエリアでは刺身や寿司、温かいメニューなど何でも試すことができる「欧米人が思うような和食」を提供することにした。一方で、別のエリアではハイレベルの懐石体験、もっと純粋な日本式を追求する。

――休業後にオープンする新「ブーレイ」はどのようなレストランになるのですか。
 
 新しいブーレイのオープンは、2018年初めになる予定だ。とてもユニークで、私の強みが結集した夢のようなレストランになるだろう。

 現ブーレイは約120席あるが、同じトライベッカ地区の別の場所に移転後のブーレイは25~30席だけのとても小規模なレストラン。ビルを買って、私は上の階に住み、1階はキッチン、2階がダイニングルーム、地下はワインセラーとバンケットルーム。土日は休みにして、料理本を作ったり、インターネットの視聴者に向けて調理したり、もっと他のことに挑戦する予定だ。

 新しいブーレイの客席はカウンターテーブルの周りに設けて、カウンター越しにシェフが調理する様子や食材まで見られるようにする。私が使う料理の構成要素を学んでもらい、自宅で自分なりに使ってみてほしい。シンプルな構成要素がどのようにして料理になるのか、簡単で手早いやり方を見せたい。昨年この構想を思い立ったとき、多くの人に料理の仕方を教えられると思ってわくわくした。

 ここでは、日本の懐石料理のように感性の点で最高の体験が出来ることを目指す。懐石料理を食べていると、四季や自然を体感する。料理人ではなく、自然に触れている感覚だ。新ブーレイには触り心地の良い輪島塗のテーブルを置き、魅惑的でロマンチックな空間にする。ミレニアル世代から年配の方まで、色々な人に来てほしい。



――いつかは引退する、ということを考えたことはありますか。

 いや、まったくないね。

――ずっと働き続けると。

 働くのではない。私がやっているのは仕事ではなく楽しみだ。私に仕事なんてものはない。今まで仕事というものをしたことがない。私は幸せ者だ。

◇ ◇ ◇

「楽しんでいる」という言葉どおり、ブーレイ氏はこれから冒険に出る少年のような表情で新店舗の構想について語ってくれた。現在のブーレイがあと数カ月で閉店というのはファンにとっては残念だが、休業期間中は日本でキッチンに立つブーレイ氏の姿が見られるかもしれない。

仕込み中の市村栄司氏(6月15日、ブラッシュストロークにて筆者撮影)

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