欧州ホームグロウンテロの背景(3) 現代イスラム政治研究者ジル・ケペルに聞く
ニューズウィーク日本版 / 2016年6月17日 16時20分
若者の一部から過激派に参加する動きが出ているのは確かだが、それは数々の現象の一つに過ぎない。総体的に眺めると、ムスリムたちが過激派やテロを受け入れる状況には到底ない。ただ、右翼による強硬な反イスラム政策が現実のものとなる場合、予期せぬ動きが社会に現れる恐れも拭えない。
※第4回:欧州ホームグロウンテロの背景(4)
※第1回:欧州ホームグロウンテロの背景(1)
※第2回:欧州ホームグロウンテロの背景(2)
*本稿は二〇一五年一〇月二〇日に朝日新聞に掲載されたインタビューを元に大幅に加筆している。
[インタビュイー]
ジル・ケペル Gilles Kepel
1955年生まれ。パリ政治学院卒業。フランスの政治学者、専門はイスラム・アラブ世界。1994~96年米コロンビア大学などで客員教授。パリ政治学院教授としてイスラム・アラブ世界研究を率いる。著書に『イスラムの郊外――フランスにおける一宗教の誕生』(1987年)、『ジハード』(2000年)、『中東戦記――ポスト9.11時代への政治的ガイド』(2002年)、『テロと殉教』(2008年)など多数。
[執筆者]
国末憲人(朝日新聞論説委員) Norito Kunisue
1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局員、パリ支局長、GLOBE副編集長を経て論説委員(国際社説担当)、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)など。
※当記事は「アステイオン84」からの転載記事です。
『アステイオン84』
特集「帝国の崩壊と呪縛」
公益財団法人サントリー文化財団
アステイオン編集委員会 編
CCCメディアハウス
国末憲人(朝日新聞論説委員)※アステイオン84より転載
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