欧州ホームグロウンテロの背景(4) 現代イスラム政治研究者ジル・ケペルに聞く
ニューズウィーク日本版 / 2016年6月18日 11時14分
「『イスラム国』のフランス語圏出身者は、(伝統的なイスラム社会で育ったのでなく)比較的最近になってネット経由でイスラム文化を吸収した一群だ。それだけに、過激派以上に過激になった。野蛮な発想に陥り、長期的に活動を続けるために必要な政治的計算ができなくなった」
テロもしょせんは、未熟な若者たちが暴力を手にした末の出来事なのだろうか。第三世代ジハードの限界は、そこにあるのかもしれない。
テロと向き合う文明社会に必要なのは、彼らに対して恐れおののくことではない。その深淵をこちらからしっかり見つめることだ。そうしてこそ、打開の糸口が見えて来る。その闇は、意外に浅いかもしれない。
[参考文献]
Kepel, Gilles(2002), Chronique d'une guerre d'Orient, Gallimard. (池内恵訳『中東戦記――ポスト9・11時代への政治的ガイド』講談社、二〇一一年)
Kepel, Gilles(2008), Terreur et martyre, Flammarion. (丸岡高弘訳『テロと殉教――「文明の衝突」をこえて』産業図書、二〇一〇年)
Kepel, Gilles(2012), Quatre-vingt-treize, Gallimard.
Kepel, Gilles(2014), Passion française: Les voix des cités, Gallimard.
Kepel, Gilles(2015), Terreur dans l'Hexagone: Genèse du djihad français, Gallimard.
国末憲人(二〇〇五)『自爆テロリストの正体』新潮社
Lia, Brynjar(2007), Architect of Global Jihad: The Life of Al-Qaeda Strategist Abu Mus'ab Al-Suri, Hurst & Co Publishers Ltd.
Cruickshank, Paul and Mohannad Hage Ali (2007), "Abu Musab Al Suri: Architect of the New Al Qaeda", Studies in Conflict & Terrorism, Taylor & Francis Group. Available from http://www.lawandsecurity.org/portals/0/documents/abumusabalsuriarchitecto henewalqaeda.pdf
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